テラーノベル
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サルーム城の大広間は、久しぶりの大宴会で賑わっていた。
音楽。
笑い声。
酒の香り。
夜はすっかり祝祭の空気に染まっていた。
「ほら、もう一杯!」
「遠慮するなって!」
「ギザルム様、意外といける口ですねぇ!」
次々と注がれる酒。
ギザルムは最初こそ断っていたが。
いつの間にか、杯は空になっていた。
「……おい」
視界が少し揺れる。
「これは……強すぎるだろうが……」
だが周囲は笑っているだけだった。
そして次の瞬間には、もう遅かった。
気づけば夜も更けていた。
セフィロスがギザルムを支えて廊下を歩いている。
「飲みすぎだ」
「うるさい……」
足取りはふらついている。
だが妙に機嫌は悪くない。
部屋に着くと、セフィロスは静かにベッドへ横たえた。
「ここで休め」
「……」
ギザルムは目を細める。
返事はない。
セフィロスが背を向ける。
「私は戻る」
そう言って立ち上がった、その瞬間。
ぐい、と腕が引かれた。
「……っ」
そのまま体勢が崩れる。
ベッドへ。
押し倒す形になった。
「ギザルム?」
セフィロスが少し驚く。
だが抵抗はしない。
ただ見下ろすだけ。
ギザルムは酔った目でセフィロスを見ていた。
いつもの鋭さはない。
代わりに、妙な熱だけが残っている。
「……行くな」
「どこへだ」
「どこでもだ」
次の瞬間。
言葉より先に行動が出た。
キス。
一度ではない。
何度も、確かめるように。
途切れ途切れに。
セフィロスは目を細めたまま、されるがままになっていた。
拒む気配はない。
ただ静かに受け止めている。
どうするか…とセフィロスが考えた瞬間、ギザルムが舌を入れてきた。
「ん…ちゅ…ギザルム…はぁ…」
「セフィロス…」
(あぁ…これはまずいな…)
やがてギザルムの動きが止まる。
そのまま力が抜けるように、セフィロスの胸元へ倒れ込んだ。
寝息が落ちる。
「……まったく」
セフィロスは小さく息を吐く。
「困ったやつだ」
そう言いながらも、どこか柔らかい声音だった。
髪を撫でる。
乱れた呼吸を整えるように、ゆっくりと。
「お前は、分かりやすいな」
誰に向けたでもない言葉。
ギザルムはもう起きない。
ただ安心しきった顔で眠っている。
セフィロスはしばらくそのまま見つめたあと。
そっと毛布をかけ直した。
そして、額に軽く口づける。
「今は眠れ」
静かに呟き、部屋の灯を落とした。
コメント
1件
第8話、一気に空気が変わったな……! ギザルムが酒でガード緩んで「行くな」って、しかもセフィロスを押し倒すとか予想外だったわ。セフィロスがされるがままで拒まないの、関係性の深さ感じたし、最後に「困ったやつだ」って優しく撫でるシーンがめっちゃ良かった。酔って寝落ちした後のセフィロスの口づけ、あれで全部持ってかれた。進展にドキドキした!
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