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『ね、ねぇ…本当に行くの…?』
La「なに?怖いんか?笑」
『怖いとは言ってないじゃん…!!』
そう言う私の言葉はどこか震えていて、らんらんの服の袖を掴む手に力がこもっていた。これを見て誰が怖くないと信じるのか…。わかっては居たがついいつもの癖で強がってしまう。
まぁ、そんな私の様子をにやにやと笑うらんらんも相当性格イカれてると思うが…。
私は今、とある遊園地のお化け屋敷の前に居る。
シクフォニの皆で遊園地に遊びに来て、お昼を食べて少し休憩。その後ちょっとしたゲームが出来るエリアに行って勝負したら見事なまでに完敗して、罰ゲームとしてお化け屋敷に入ることになってしまったのだ。
一人きりではなく、一応彼氏でありホラー耐性のあるらんらんと二人でってのはメンバーなりの優しさなのだろう。
『うう…』
La「ほら、行くよ」
『ねぇ待って!早いってば!!』
何でこの人はこんな涼しい顔して不気味な扉を開けられるのか…。私にとって地獄への入り口的な存在をしている、いかにも恐ろしい雰囲気を醸し出す扉の中へとらんらんに連れて行かれる。ゆるさんまじ。
中に入れば真っ暗で、自分とらんらんの靴の音がやけに大きく響いた。
ドクン…ドクン…って煩いくらいに主張してくる脈と、微かに震える指先が私の心情を隠しきれていなくて、らんらんに「怖がりだねー」なんて笑われる。
おばけ怖いもん
作り物だとしてもおばけ怖いもん
『うるさい…ばか…』
La「はいはい笑、ほら」
笑いながらも腕に抱き着きやすいように動いてくれるんだから優しいよね。絶対に本人には言わないけど。
その後もお化け屋敷の驚かし要素にビクビクと肩を揺らす度に、くすくすと笑われる。
すっごい恥ずかしいのにその笑い声が、唯一の救いで必死に掴まってる彼の腕は温かった。