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篝火

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#婚約破棄
霞花怜
911
会場から冷やかすような声が聞こえ、近くにいた貴族は俺のほうをみていた。
落札した男のほうをみつめると、少し目を開いて俺と目があった。
だが、すぐに目を細めて会場全体を見渡した。
律が俺のほうにかけよって、俺の左隣にきた。
不安そうな、少しからかいを含んだ声で、開いていた目を少し細めた。
「あんなんこと言われてるの買っていいのか?」
からかうような口調で耳元でワイン片手に言ってくる。
「まあ、ダメだったら雑用にでもすればいいし?」
少し体を揺らしながら弾んだ声で言う。
このお店は、オークションが終了したら購入者に商品を裏口で渡されるらしい。
前に、律からそう聞いた。
「じゃあ、俺はいってくるな。」
早口で律が言って少し上着を揺らした。
律が20代後半くらいの男女と世間話を数メートル先で話している。
一時間半ほど経ち、司会が中央に立った。
「それでは、ご購入された皆様は二番出口に起こしください!」
頭を上げながら大きな声で言う。
(どこだったっけ…)
そう思い地図を開くと、北東の場所で、ろうそくが立てられてある廊下を突き進む。
「それでは47番の商品のかた。」
若いセミロングの女性が淡々と言い、数歩進む。
見た通り、青痣や瘡蓋などがいくつも腕や足にあった。
(やっぱり裏オークションってのはこういうのあるもんだよねー)
目を合わせると、どれくらいの教養があるのか
値踏みするような鋭い目だった。
(やっぱり…!)
少し口角を上げて、店員から合皮のリードを渡され、軽く握る。
いつもの少し早いスピードで待機してる馬車に歩く。
後ろからペタペタと聞こえてきた。ーだが、すぐに足音がやんだ。
少し眉をひそめ振り返ると、柱を掴んで立っていた。
(…やっぱり商品って怯えるの?)
少し頭を搔きながら、
「ちょっと、ついてきてくれない?」
地面を見ながら言うと、怯えてる人の声ではなく、芯がある声が聞こえた。
「引きずられたり毒を入れられる可能性があるので。」
そうこっちを見ながらその男は言ってきた。
コメント
1件
読み終えました。第2話、良い緊張感ですね。 冒頭の冷やかしの空気と、律が軽い口調で「雑用にでも」と流す距離感が、この世界の倫理観をさりげなく示していて唸りました。 購入後に「怯える商品」を予想していた主人公が、芯のある声で「引きずられたり毒を入れられる可能性があるので」と言い返される。あの一文で、ただの被害者ではない“彼”の生存戦略と教養の高さが一気に立ち上がってきました。 設定の積み方と伏線の置き方が巧みで、続きが気になる構成ですね。