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#リクエスト募集
朧
73
会場から冷やかすような声が聞こえ、近くにいた貴族は俺のほうをみていた。
落札した男のほうをみつめると、少し目を開いて俺と目があった。
だが、すぐに目を細めて会場全体を見渡した。
律が俺のほうにかけよって、俺の左隣にきた。
不安そうな、少しからかいを含んだ声で、開いていた目を少し細めた。
「あんなんこと言われてるの買っていいのか?」
からかうような口調で耳元でワイン片手に言ってくる。
「まあ、ダメだったら雑用にでもすればいいし?」
少し体を揺らしながら弾んだ声で言う。
このお店は、オークションが終了したら購入者に商品を裏口で渡されるらしい。
前に、律からそう聞いた。
「じゃあ、俺はいってくるな。」
早口で律が言って少し上着を揺らした。
律が20代後半くらいの男女と世間話を数メートル先で話している。
一時間半ほど経ち、司会が中央に立った。
「それでは、ご購入された皆様は二番出口に起こしください!」
頭を上げながら大きな声で言う。
(どこだったっけ…)
そう思い地図を開くと、北東の場所で、ろうそくが立てられてある廊下を突き進む。
「それでは47番の商品のかた。」
若いセミロングの女性が淡々と言い、数歩進む。
見た通り、青痣や瘡蓋などがいくつも腕や足にあった。
(やっぱり裏オークションってのはこういうのあるもんだよねー)
目を合わせると、どれくらいの教養があるのか
値踏みするような鋭い目だった。
(やっぱり…!)
少し口角を上げて、店員から合皮のリードを渡され、軽く握る。
いつもの少し早いスピードで待機してる馬車に歩く。
後ろからペタペタと聞こえてきた。ーだが、すぐに足音がやんだ。
少し眉をひそめ振り返ると、柱を掴んで立っていた。
(…やっぱり商品って怯えるの?)
少し頭を搔きながら、
「ちょっと、ついてきてくれない?」
地面を見ながら言うと、怯えてる人の声ではなく、芯がある声が聞こえた。
「引きずられたり毒を入れられる可能性があるので。」
そうこっちを見ながらその男は言ってきた。
コメント
1件
読み終えました。第2話、良い緊張感ですね。 冒頭の冷やかしの空気と、律が軽い口調で「雑用にでも」と流す距離感が、この世界の倫理観をさりげなく示していて唸りました。 購入後に「怯える商品」を予想していた主人公が、芯のある声で「引きずられたり毒を入れられる可能性があるので」と言い返される。あの一文で、ただの被害者ではない“彼”の生存戦略と教養の高さが一気に立ち上がってきました。 設定の積み方と伏線の置き方が巧みで、続きが気になる構成ですね。