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「…ん〜やっぱりいいのが思い付かないな…」
さっきの話は私、綾部架乃が作った物語だ。将来の夢は小説家で高校三年生の今から本格的に考えている。来月の12月には小説家になりたい人はほぼ参加すると言われてる小説コンクールがある。テーマは恋愛。だが、このままでは恋愛まで届かず、ホラーになってしまう。だから、それに向けて架乃は今必死に考えているのだ。
チリチリッとアラームがなった。スーパーのタイムセールが行われる20分前のアラームだ。ここからスーパーまで約15分なのでちょうど今から行ったら5分前には着く。早速財布とエコバックを持って玄関を出た。
1人でスーパーに行くのは何回目だろう。そしてあと何回、行くのだろう。私の母親は14歳の頃に亡くなった。長くなりますが、どうか聞いて下さい_。
14際の頃、私は絶賛反抗期だった。親に言われたことはもちろんしない。何かやらかしてしまっても、私が正しいとずっと突っ張っていただろう。そんなことがほぼ毎日起こった。この生活が当たり前だと思っていた。そんないつもと変わらず母親と喧嘩していた。
「なんでいっつもそんなことするかなぁ。こっちの身にもなってよ。」
「知らないよそんなの。言われてないし。こっちのことも考えてよ。反抗期なんだし、余裕ないんだから。」
「何様なのあんた。もう今日携帯触るの禁止ね。」
「なんなんもう。どうでもいいわ。」
ドンッ
そう言って私は徒歩3分の『渚ヶ丘公園』のブランコに腰掛けた。それから何時間だったのだろう。段々と暗くなってきている。そろそろ帰らないと、ご飯が食べれない。それは困るから渋々帰った。ところが、リビングにも、寝室にも、母親は居ない。出掛けているのか。しかし、いつもこの時間には買い出しも終わって晩御飯の準備しているはずだ。なにがあった。そう考えている間に眠たくなって寝てしまっていた。ドタドタッガチャッと激しい走音が聞こえてきた。誰か分からずおどおどしていたら、父親が帰ってきた。
「お前、何してんだよ。早く車のれ。」
「え」
「早くしろ。時間ないんだ。」
なんの事か分からなかった。パニックになっていたら、父親が深呼吸してこう言った。
「お母さん、救急車に運ばれたんだ。知らないか?」
「…え」
「何回も電話しただろ。なんで出ないんだ。」
だって、喧嘩したんだもん。携帯没収されたんだもん。親が…また人のせいか。もうやめよう。こんな時まで母親のせいにして。脳の中でゴチャゴチャになったまま、『渚ヶ丘総合病院』に到着した。
「え、あ、綾部です。綾部香澄の夫です。香澄は…」
「落ち着いてください。506号室です。」
急いでエレベーターに乗って、5階の506号室に行った。
「お母さんっ…」
咄嗟に声が出た。
「香澄っ…大丈夫かっ…」
お母さんは半笑いでこう言った。
「ごめんね、架乃。お母さんさっきは言い過ぎちゃったね。」
「お母さん…ごめん…」
「香澄…何があったんだ。」
お母さんはとうとう泣き出してしまった。そして、信じ難いことを口にして。
「お母さん、あと5ヶ月で死ぬみたい。」
「は?」
「本当だよ…」
私は耐えられなくなって病室を抜け出した。
抜け出す前に見ていたお母さんのベッドの横に置いてあったプレートを見た。そこには、『担当:東野康太』と書いてあった。私は東野先生がいる診察室へ走った。