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マジックキャッスルは今日も暑い。私は噴水に腰掛けてうーんと唸っている。するとどこからか楽しい鼻歌が聞こえて来る。♪ラーララ、ラララ
♪フルーツフルーツランラン
♪バナナにいちごにキウイフルーツその他もろもろ
♪どれも新鮮とれたてさ!
♪甘くて美味しくてほっぺが落ちちゃう
♪良ければおひとついかがです?
楽しそうな鼻歌と共にやってきたのはホセとパンチートだ。
「2人とも何してるの?」
「フルーツを運んでるのさ」とパンチート。
「どれも新鮮さ!」とホセ。
「おー!」
「後で君のカフェにも届けるよ」
パンチートがそう言ってくれたのでそれはちょうどフルーツが切れていたところだったからありがたかった。そう思ったその時
「助けてくれー!」
マジックフロント方面から叫び声が聞こえて来る。私がその方向を向くと頭から真っ赤に染まった人達がやって来る。
「「「!!」」」
その光景をみた私達はギョッとする。頭から真っ赤なもの。もしかして血!まさか、誰かにやられて怪我したとか?それなら早く手当をしないと!あ、でも救急箱どこにおいたっけ?そう考えている間に真っ赤な人は私達に近づいて来る。それはまるで、ゾンビや地球外生命体が攻めてきたような光景だ。
「ダズゲデー!」
「ギャ〜〜〜〜!」
助けを求める人は私に襲いかかって来ると思ったその時、ばたりとうつ伏せに倒れてしまう。
「え?死んじゃった?」
「さあ、どうだろうね」
倒れた人を私とパンチートは見つめる。するとホセが何かに気がついたのかクンクンとその人の臭いを嗅ぎ始めた。
「んー、これは・・・ペンキだね」
「ペンキ?」
「ああ、この独特の臭い間違いない。だけど、早く落としてあげた方がいいのかもね。さっき口が塞がるまでぬりたくられているようにも見えたから」
え!そんなところまでは気づかなかった。ホセはよくみてるんだな。私はホセに関心しつつ蛇口に繋いだホースを持ってきてペンキを被った人にかけてあげた。
数分後ペンキの人のペンキを全て落とし終わり、何があったのか話を聞いた。話によるとマジックフロントに行ったら落書きまみれで、消そうとしたら青い何かにペンキを塗りたくられたそうだ。そこでほんとは専門外だが、街のみんなが困っているということで落書きをやめさせるために勢いに負けつつ私はマジックフロントに向かった。
マジックフロントに行くとあちこちに話通り落書きが書いてある。うわーこれは大変だ〜。私は腰に手を当て辺りを見回す。するとお城に続く階段の前に片手にハケを持ち、ペンキまみれになって落書きをしている何かを発見する。
「ワーオ!キレイニナッタ!」
ん?なんだあれ?青いモフモフした生き物が喋っている。
「トッテモステキナエガイッパイ!ミンナヨロコブ!」
そう言って青い生き物はまた絵を描こうとする。大変止めなくちゃ!
「だめー!」
私は急いで止めようと青い生き物に近づく。すると青い生き物は手を止めて、東の浜辺の近くのマジックゲートに消えていった。私もそれに続くようにマジックゲートに入って行く。
マジックゲートを抜けるとそこは青い海白い砂浜のビーチだった。だがそのビーチの砂浜にも落書きがしてある。近くにあるお店の壁にも書いてある。その近くで羽柄模様の赤いムームーを着た女の子にさっきの青い生き物が怒られているような姿が目に入った。
「スティッチ!落書きしたらダメって言ってるでしょ!」
「スティッチ ミンナ エガオニシテル!」
「ダカラ モット カク!」
その時また青い生き物が書こうとする。大変!早く止めなきゃ!私は急いで止めようと入る。
「ストッープ!」
「ン?」
「絵を描くのストップ!街や壁には描かないで!」
「あなたは?観光客?」
観光客?ああそっかこっちの人にはそう見えているのか。
「そう」
「スティッチ ラクガキ シテナイ」
「でもこういうことは悪いことだよ」
と女の子も注意をする。
「ウーン ワカッタ スティッチ モウ カカナイ」
「それじゃあ一緒にこの落書きを消そう」
そう言い女の子と青い生き物は絵を消し始める。私も手伝いなんとか綺麗にすることができた。
「スティッチ絵は今度は紙に書いてね。そうすればいつまでもとっておけるよ」
「ワカッタ!スティッチ モウ ラクガキ シナイ!」
青い生き物はどうやら分かってくれたようだ。
「あなたも手伝ってくれてありがとう。ええと…」
「私はあかり」
「あかりね。私はリロよろしくね」
リロはフラダンスをしながら私に自己紹介してくれた。とても上手だな。
「それからこっちはスティッチ。もう知ってると思うけど」
「ハ、ハーイ」
リロに紹介されるとスティッチは私にあいさつしてくれた。
「そーだ!あかり私の家にこない?面白いものがあるんだ」
え?リロの家?何だか気になる。
「分かった行く!」
そう言いリロは私をビーチの近くの小道へ入って行く。
歩いている途中わたしはオバケがいるのか気になり、リロに話しかけた。
「ねえリロここにオバケは出るの?」
「え?うん。ここカウアイ島には最近オバケが出るようになったの。この近くのジャングルによく出るみたい」
なるほどここ最近か。アトランティカでも同じことを言っていた。
「さあ着いたよ」
そう言われて顔を上げてみると、赤い屋根の目立つ大きな家があり、家の近くには赤い宇宙船?が落ちている。森には赤い大きな宇宙船が止まっている。
「じゃーん!ここが私達の家」
「すごーい!」私は目を丸くする。
「1回壊れちゃったんだけど、みんなで直したんだ!」
その時遠くから声が聞こえて来た。
「おーい!リロ!スティッチ!」
そこに黄色に赤いヒトデの柄のアロハシャツを着た4つ目の大きな人?とオレンジのドレスを着た一つ目の細身の人?がこちらに向かって来た。
「大変だ!」
「まずいよ!ジャンバ見かけない地球人がいる。僕達の姿見られちゃうよ。」と一つ目の人
「今はそれどころじゃない」と4つ目の人
「そんなに慌ててどうしたの?」とリロ
「私のセンサーに異常な反応があった。おそらくオバケの反応が強くなり出しているものだろう。」
「このままだとここカウアイ島もオバケに滅ぼされるよ!」
「なんとか手を打たなくては。」
4つ目の人が考えていると、私に気づく。
「ん?この子からもすごいエネルギーを感じる。もしかして宇宙人か?」
「なーんだ!僕らの仲間じゃないか。」
え!宇宙人!この人達宇宙人なんだ。でも私もそう疑われてる!?
「違うの私はあかり。地球人で、エネルギー源はこの杖だと思うの。」
とわたしは杖を見せる。
「ムムム?これは魔法をビンビン感じる。これがあればオバケに対抗出来るかもしれん」
4つ目の人いや宇宙人は1人ぶつぶつ呟く。
「なんの話?オバケの話なら私も聞きたい!」とリロが聞く。
「いやなんでもない。それよりリロ、この人に私達を紹介してくれ。」
「うんいいよ。彼女はあかり!助けてもらったついでにここまで案内したの」
とリロは説明する。
「おおスティッチとリロが世話になったな。私はジャンバ・ジュキューバ。宇宙一の悪の天才科学者だ。」
ジャンバ博士は何だか凄い人だと分かった。
「それからボクはプリークリー地球の蚊の研究家さ!」
プリークリーは男の宇宙人?それとも女の宇宙人?どっちかわからない。
「専門は蚊の研究だよ」
「こうやって知り合ったのも何かの縁だ。仲良くしようなあかり!」
私はジャンバ博士と握手をすると目の前に羽の生えた封筒が飛んでくる。
「な、何だ?」
「まさかオバケ!?」
「グルウウ!」
スティッチが攻撃の体制をとっている。だが私にはこれが何か知っている。そうこれはマジックキャッスルで手紙や荷物を届けてくれる配達屋さん。
「手紙さん!」
「はーい♪あかりさんお手紙よ」
私が明るく声をかけると手紙さんも明るく返事を返してくれる。その様子を見てスティッチは攻撃の体制を緩める。
「手紙?」
「ええ。なんとイェン・シッド様からよ!」
「ええ〜!」
まさかイェン・シッドさんから手紙が来るなんて。過去に一回だけあったけど、そのときは私から送ったときだったし、あの人から貰ったのは初めてだ。
「それじゃあ読むわね。『あかりよ。そなたは今暑い南の島にいるのだろう。そなそなたに暑き森で力を発揮する杖をそなたに託そう。その杖で皆を助けて欲しい。追伸マジックフロントのペンキの掃除はミッキー達にやってもらっている』ですって!というわけでこちらがその杖よ」
そう言い手紙さんは私に先端にロケットの付いた杖を渡す。
「それじゃあ私はこれでー」
そう言い残すと手紙さんは行ってしまった。
その後私達はジャンバ博士に誘われ赤い大きな宇宙船に行く。中には沢山のコンピュータで埋め尽くされている。ジャンバ博士は中にある椅子に座りキーボードを打ち始める。
「よし待ってろ。今までのオバケのデータを元に対オバケ用のスーツを作ってやる」
そう言うとジャンバはキーボードをひたすら打ち続けている。
次の日ジャンバ博士は私とスティッチに新しい服をくれた。
「626には赤い宇宙服そしてあかりには特別な冒険服だ。」
私は服を着てみる。何だか力がみなぎってくる。
「耳当てはオバケの放つ嫌な音をカット!服は魔法をUPする効果付き。ブーツはジャンプ力をUPする効果付き。ブレスレッドには私との通信に使える。」
「ありがとうジャンバ!」
「スティッチ オバケ タオス!」
「それじゃあみんな頑張ってね」とプリークリー。
「何言ってるんだ?お前さんも行くんだぞ!」
「え?」
「何のための宇宙服だ!」
「でもボクには武器が、」
「それならこれを持ってけ」
ジャンバは大きな銃をプリークリーに渡す。
「プラズマ砲プラスだ!」
「これなら頑張れるかも」
プリークリーは弱気の声を出す。
「それじゃあ行こう!」
私とスティッチ、そしてプリークリーはジャングルの奥に入って行く。
「目標はこの奥だ!」
ジャンバは無線で会話する。
「オバケが出て来そうだけど、」
「スティッチ オバケ タオス!」
「気を付けろ!そこにオバケの反応がある!」
え!私達はあたりを見渡すとそこにはオレンジ色のUFOみたいな見た目で目が黒色口が裂けているオバケがプラズマ砲を両手に持ちこちらを見ている。
「オバケだー!」
「グルル」
「い、行くよ!」
えい!”ブン”私は勢いよく杖を振る。すると無数のレーザー光線がオバケに当たり、光となって消えて行く。
「あかり、上からも来るぞ!」
ジャンバに言われ上を向くと空から岩のようなオバケが降ってくる。私は杖を空に向かって振る。オバケはまた光となり消えて行く。
「あかり、よくやった。おかげでいいデータが取れた」
「それじゃあ先を急ごう」
プリークリーに言われ先に進む。
先に進むと広場に出た。そこには真ん中にオバケの乗っているロボットがあり、周りにはカプセルのようなものがある。
「あれがターゲットだ」
「スティッチ タオス!」
スティッチは勢いよく飛び出してプラズマ砲をカプセルに打つ。するとカプセルが開き緑色の光っているものが見える。
「いいぞ626。それがやつのコアだ!」
私も負けられない。私は杖をおもいっきり何回も振る。プリークリーは岩に隠れてる。もーなにしてるの!カプセルを狙って打っているとカプセルが爆発して真ん中のロボットが残り、それが倒れ込む。中からオバケが出てきてよろけている。
“ドキューン”
そこにものすごい音でプラズマ砲が打たれた。オバケは消え、空にハートが昇っていく。
「やったね!作戦通り!」
プリークリーがひょっこり出てくる。
「なーにが作戦通りだ!」
「ズット カクレテタ!」
「たまたまでしょ!」
「まあ結果オーライ?」
「そうだよね!」
その場にみんなの笑い声が響く。
私達はリロの家に戻るとジャンバがオバケのデータをまとめる。
「いやー素晴らしい!あかり、ありがとう」
「アカリ スゴイ! アカリ スティッチノ オハナ!」
「オハナ?」
「ハワイでオハナは家族って事。あかりはもう私達のオハナだよ」
「うんありがとう!」
家族か、そういえば私家族の事なにもわからないな。
「これで悪の研究もはかどるぞー!」とジャンバ。
「ほどほどにしてね!」とプリークリー。
私達はみんな笑顔で笑い声を上げた。
私はマジックキャッスルに戻り海の近くに行くと、ペンキの掃除の終わったミッキー達が砂浜に寝っ転がっている。どうやらペンキの掃除が終わったようだ。
「みんなお疲れ様」
「あ、あかり!」
「本当に疲れたよー」
「少し休みたいね〜」
そのグーフィーの発言に私はあることを思い出す。そういえばホセ達がくれた果物があったはず。それで何か作れるかな?
「それじゃあカフェに寄ってく?新鮮なフルーツがあったはずだよ」
「本当!じゃあ行こう!」
私の発言を聞いたドナルドは浜辺から起き上がるとカフェに向かって走り出す。その後を私たちも追いかける。こうやってこうやってみんなで笑えて過ごせてるのもハッピーなことだよね。
ジャンバはキーボードをタップし、今日のデータを確認している。するとそのデータを見て驚愕する。
「まさかとは思っていたが、お前の仕業なのか・・・・」
ジャンバはその場に立ちすくむことしか出来なかった。