口下手な青組大好きです
青水/擦られに擦られてるであろうシュチュ/展開ジェットコースター/駄作
味は温かい方が感じにくい。
甘みも、塩味も、苦味さえも。
水:「いふくんなんてっ、大っ嫌い!!」
思いっきり頬に平手打ちを食らって少しよろめく。
青:「はぁ、っ?最近仕事忙しい言うとったやん!ちょっと構えなかった位でキレられても困るねん!!」
水:「そんな事言いながらりうちゃんと買い物行ってたんでしょ!僕知ってるよ!?初兎ちゃんが言ってたのっ!すっごく、楽しそうにしてたって、!に、にこにこしながらっ、歩いてたって…!!」
恋愛にとっての苦味とは様々なすれ違いだろう。
熱々の時にはそれさえ新鮮でも、冷めて引き立ってくると取り払いたくなるような。
青:「それはちがっ」
水:「事実として変わらないでしょ!?僕に仕事忙しいって言っときながらりうちゃんと遊びいってるじゃん!!」
青:「だから違うって、」
水:「うるさい!!」
耳を劈く様な声に思わず黙り込んでしまう。
弁解をしたいのに涙目で睨んでくる彼に対して何も言えない。
ここで下手に言った方が言い訳みたいになるんじゃないか、と。逃げ道だけが拡がっていく。
水:「…ぼ、僕は、いふくんにとって必要ないの、っ?」
水:「いふくんは、…りうちゃんのほうが、好きなの?」
青:「んなことないって!!一方的に物言ってんなや”!!!」
出した声が自分で思っていたより乱暴で、広くはないリビングに静かに響きびく、と彼の肩が跳ねるのがわかった。
青:「ご、め……怒鳴るつもりは、なくて」
水:「…頭冷やしてくる」
青:「っは!?おま、もう暗いから」
水:「触んないで」
引き留めようと彼の袖を掴んだ手は振り払われ空を掴む。
ドアが軋みながら開く音、外は風が強いようで直後に聞こえた閉まる音はいつもより乱暴だった。
ーーー
ばか、と独り言を零す。それが彼に向けての八つ当たりなのか自分に向けての嘲笑なのか。否、両方かもしれない。
外は寒風が相まって内蔵が縮みあがるほど寒く咄嗟に部屋着1枚で出ていってしまったことを酷く後悔した。
水:「…寒、い」
ぽつりと弱音を吐き出す。深夜の住宅街に飲み込まれた情けない声音が寂しさを増幅させた。
目の前のブランコが風に煽られ人が乗っているかのように前後に揺れる。
水:「暗い、…怖い”、よぉ”っ…」
1度零れたらもう弱音も涙も言うことを聞かなくて鼻をすすりながらベンチで蹲った。
都合が良くて心底呆れる。言いたいことだけ言って勝手に出て行って、寂しくなったらシンデレラ気取り。馬鹿みたい。
ねぇ、ほんとは分かってるよ。いふくんが浮気なんかしないことも、りうちゃんが友達の恋人取るような子じゃないことも。
寂しかっただけなの。記念日くらい仕事早く終わらないかなって、根拠のない期待を勝手にしてたの。
新しいプロジェクトのメンバーに選ばれたって嬉しそうに話してたのも、だから帰りが遅いのも全部全部知ってたのに。
水:「迎え、来てよ…」
身勝手でごめんなさい、でも、でもちょっとだけ期待しちゃうんだもん。
貴方が何時でも優しいから、結局折れてくれるから、甘やかしてくれるから。
なんて、こんな時まで人のせいにする僕の所には来やしないかな。
青:「い”たっ!!」
水:「っは、ぇ…」
自暴自棄になりそうな思考を破ったのは大好きな彼の声。
今1番欲しかった、期待していた彼の、声。
水:「い”ふく”っ…ご、」
青:「ごめんっ!!」
涙混じりに言おうとした謝罪の言葉は彼の叫ぶような言葉で遮られた。
青:「不安にさせて、ごめん。寂しかったん、よな…」
僕の右手に伸ばされた手が、しかし途中で空を切る。
遠慮がちに曲げられた指先に 触れた。
自分より一回り大きい大好きな彼の手。
その手をぐいと引っ張り抱きつく。走り回ってくれたようで、耳元で聞こえる吐息にはまだ酸素を求める息継ぎが混じっていた。
水:「ごめん、なさ、い…嫌いって、言って、疑って、ごめんなさぁ”っ…」
安心して、温かくて、大好きで。1度止まった涙がまた溢れ出す。
青:「帰ろう。帰っていっぱい話そうな」
優しく頭を撫でられて余計涙が止まらなくない。ずびっと鼻をすするといふくんが自分の来ていた上着を肩にかけてくれた。まだ暖かさが残っている。
水:「これ、いふくんの…」
青:「走ったから暑いわ、お前は着とけ」
こういう時聞こうとしないのを知っていた。有難く袖を通させてもらう。
結局甘えないと生きてけないのに。本当酷いこと言っちゃったなぁ。
青:「あんま自分のこと責めんな、お互い悪かったからな」
思考を呼んだかのように言われる。顔を上げるも視線は交わらなくて髪の間から寒さで赤くなった耳だけが見えた。
水:「うん、ありがとう」
ーーー
青:「ほい、身体あっためな」
先週2月も終わりだから、と衣替えによって仕舞われた厚手のブランケット。まさか今年2度目の活躍が来るとは思っていなかったそれでほとけを包むと気持ちよさそうに目を細めた。
青:「…なぁ、ほとけ」
こんな時に言うのなんかちゃうけどさ、と前置きをしてから仕事鞄に入れていた小ぶりな箱を取り出す。
青:「遅くなってごめん、日跨いでもうたけど記念日のプレゼント」
そう言って開けた箱の中の指輪を見るや、君が本日3度目の涙を流したことは最早言うまでもないだろう。
_味は、温かい方が分かりにくい。
甘みも、塩味も、苦味さえも。
苦味に耐えられなくなったらまた温め直せばいい。もしくは、
ミルクを入れてアイスコーヒーとして楽しむだとか。
コーヒーゼリー作りながら思いついたやつです。
苦いの苦手な方牛乳に練乳を混ぜたものをコーヒーに入れると美味しいのでおすすめだそうです。(妹談)
コメント
2件
天才すぎません??(( 青くんかっけぇ、、、✨