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やばいな。やばいしか思いつかない自分を責めたい。 若井……………………………………頑張れ………………
あ゛あ゛やっぱりー!!!! なんて自己犠牲な人なんだ…( ´ཫ`) 深夜に1人でニヤニヤする怪しい人間が爆誕してます…( ́ཫ`)b
「ごめん」
形だけの、空虚な言葉。
思わず胸ぐらを掴んでしまった。
「リョウちゃんが知れば傷つけるのを解ってて防御しなかったの?」
だから、知らせたくなくて。
死ぬ思いで怒りを抑えていた。
俺より背の低いモトキは、グッと引き上げられて苦しそうに顔を歪ませる。
それでも冷静な瞳で見返してきた。
「他に方法が?あのままだったら、リョウちゃんは覚醒出来なかった」
「…っ」
思わず右腕を振り上げるも、避けもせずギュッと目をつぶった相手を見て止まる。
こいつはどこまで…
振り上げた右腕も、胸ぐらを掴んでいた左腕も、ぶらりと落とした。
なんか、頬が冷たいな。
夕方の風に吹かれて心まで冷えてくる。
モトキの言いたいことは十分解るよ。
必死に動かなければならなくなる、そんなきっかけが無ければ。
優しくて穏やかなリョウちゃんはいつまでも覚醒出来なかっただろう。
そこまでして、何とかしてあげたかった気持ちも。
それでも。
あんなこと、平気で、俺たちの前でしなくてもいいじゃないか。
「居なくなっちゃいそうだった」
「わかい…」
目を見開いたモトキが俺を見ている。
「なんでよ…?」
「ごっ、ごめん。ごめんな」
さっきは仄暗い闇に飲まれそうな冷たい瞳をしてたモトキから、感情のある言葉が戻ってくる。
「僕は優しいふりをしてるだけだから、本当は、冷たくて、結局誰かのためじゃなくて…」
俺はまだ、お前の抱えてる深くて暗い世界をよく知らない。
でも解ってることもある。
「優しい。絶対に。いつでも、俺より優しいよ」
俺なんて、したいことをして、認めた相手としか仲良くしたくない。 例えどんなに良いやつでも。
それまで仲良かった友人を放って、モトキと一緒にいることを躊躇なく出来るんだから。
あんなに嫌ってた俺を受け入れてくれて、リョウちゃんの良さを誰より早く見つけたお前が冷たいと言うなら。
俺みたいな勝手なやつ、どうしたらいいんだよ?
「な、泣くなって。ごめんて。なぁ…」
珍しくオロオロと俺の背中を撫でている姿に、ほんの少し気が晴れる。
いつも飄々として何でも出来る相手を好きなだけ困らせてやろう。
それと…
良いところや好きなところを、俺とリョウちゃんで延々と聞かせてやらなければ。
わああぁもういいです、ほんっとごめんなさい!って言うだろうけど止めないから絶対。
その日は申し訳なさそうな顔をして俺の家に泊まり、元気の出ない俺を細々と世話してくれた。
まるで小さな兄貴のようだと 言ったら、小さなは余計だろって殴られたけどね。