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))キーンコーンカーンコーン
知らない学校の知らないチャイム。
もう夏だというのに真新しく、ぶかぶかしていて少し着心地が悪く、着にくい制服。
…前の学校の制服のが選択肢多かったし、なにより可愛かったのな〜、
…嗚呼、前の学校に戻りたい
こんなこと考えたって、なにも変わらない。そう自分に言い聞かせながら、あたりを見渡す。
知らない生徒。知らない先生。
「誰?」と言わんばかりの視線が痛い。
「百瀬さん、こちらです。」
「ありがとうございます」
先生に案内され、校長室に入る。
「百瀬さん、こんにちわ」
そう優しげに微笑む校長。
いや、自分は優しいんだと言わんばかりの笑顔。
…気持ち悪い
そんな気持ちとは裏腹に、俺も笑顔を貼り付ける。
「こんにちは。校長先生。」
教頭であろう人がすぐに母さんに視線を向ける。
「よく出来た息子さんですね、」
「まあ、嬉しいですわ」
教頭のにこにことした顔が酷く見える。
母さんに気に入られたくてたまらないのだろう。
目は口ほどに物を言うとはこのことだ。
子供の俺でも分かるくらいに目が物語っている。
「では、手続きは終了したので、明後日からにでもどうですか?」
「まあ、いいのですか?」
「はい。藍くんも早めに入ったほうが馴染めるだろうしね」
「ありがとうごさいます。助かります。」
「では、また明後日に。」
「はい。ありがとうございました」