テラーノベル
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バラエティ番組のセットに、阿部と俺が並んで立っていた。
モニターには大きく「即興カップル芝居対決」の文字が光る。
MC「今回の企画は、snowmanのお2人に恋人同士の即興芝居をやってもらいます!観覧のお客さんにどっちが胸きゅんだったか投票してもらいまーす!」
「これ本当にやるの……」
「どうする?やるしかないよねこれ(笑)」
スタッフがカードを持ってくる。
MC「演技のお題は…《長年の片思いを告白するカップル》です!」
「うわ」
阿部は軽く息を吐いて、俺をまっすぐ見た
「じゃあ、俺から行くね」
阿部はすっと1歩踏み出す。
緊張を隠すように、声を落ちつけて喋った
「俺、ずっと前から思ってたんだ」
俺は恥ずかしくなって目をそらそうとしたが、阿部がそっと肩を掴む
「最初はこんな風になるなんて考えてなくてさ」
「でも気づいたら…どこにいても舘様のことばっかり見てた」
「さらさらな髪も、俺を真っ直ぐ見る目も」
「好きだよ」
シンプルな言葉なのに、阿部の声は妙に優しくて、
俺は一瞬だけ、本気で心臓が跳ねるのを感じた
「阿部、演技上手いね」
「本気っぽく聞こえた?」
「…ちょっとね」
阿部が小さく笑った
「次、舘様どうぞ!」
俺は息を整えて、阿部を見上げる
「…俺も、最初はただの友達だと思ってた。」
「でも、気がついたらお前に頼るのが当たり前になってて」
「…ずっと言えなかったけど」
少し間を置いて息を飲む
「俺も…阿部のことが好きだよ」
スタジオから、観覧席から、拍手と悲鳴のような歓声が湧いた。
阿部がそっと耳元で囁く
「舘様、顔赤」
「…うるさい演技だし」
「俺は…演技じゃないかもよ」
「え?」
「ん〜演技だよ。多分」
俺は視線を逸らしてさっきよりも赤くなった顔を隠した。
どうでしたでしょうか?
1週間ぐらい間があいちゃってすみません。
コメント
8件
あ、好きです。
小説も好きだけど、いちごさんのコメ返も可愛いんだよね