テラーノベル
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⚠️青×水♀️⚠️
水ちゃんはこの世にいません
もぶと絡ませたくなかったのでもぶ雑に使ってます
作者の自己満足で書いてます←めっちゃ大事
【本編】
カタカタと、自分のパソコンのキーボードの音のみが響く
もう定時を何時間もすぎ、直に日付が変わる頃だ
「やっと終わった…」
いつも通り自分以外誰もいないオフィスを見、ため息をつきつつ会社を後にする
会社を出ると、いつも通り定時に上がっていた筈の女性社員がいた
「…」
無視をして通り過ぎようとすると、
Mob「あ、あのっ!/」
言われることを予想するのは容易い
「…何でしょうか」
Mob「あ、…/」
白々しい演技に腹が立つ
「何でしょうか?」
Mob「猫宮さん、彼女さんがいなくなってしばらく経ったじゃないですか?」
Mob「私も稲荷さんがいなくなっちゃったの悲しいんですけど、、」
Mob「私も猫宮さんのことが好きで、//」
やっぱり
正直、俺には関係無い
Mob「あの、良ければ付き合ってくれたら嬉しいなって///」
「申し訳ありませんが、無理な相談ですね」
「彼女を亡くした奴にそんなこと言える感性も有り得ません」
「2度と俺に関わらないでください」
「なぁ、ほとけ」
公園にあるベンチに腰かけ、本当なら今も自分の隣にいたはずの彼女の名前を呼ぶ
最愛の彼女はもういない
デートの帰り道、信号を見ていなかったトラックの運転手に跳ねられたのだ
もうすぐ、彼女の49日
いつになっても現実を受け入れることができない自分がいる
「お前がおらんかったら別に俺の望みなんてあらへんの」
「お前の隣におれたら、それが何よりの望みやったのにな」
静かな夜道に自分の声だけが響く
彼女の存在が自分の全てだった
今思うと、彼女に依存してしまっていたのかもしれない
暗い夜道
顔を上げても、曇っているのだろうか
星は見えない
ドンッ
Mob「は?ぶつかってくんじゃねえよ」
ガラの悪いやつに絡まれて
何も思うことはなく、苛立ちのみが募る
『いたいのいたいの、とんでけ〜っ!』
何故か、居ないはずの彼女の声が脳内に響く
やめて
今考えさせないで
辛くなってしまうから
いなくなった彼女の存在を思い描いてしまう
もう有り得ることのない幻想に形を与えてしまう
何も反応をしない俺に面白くないと思ったのだろうか
気づけば男はどこかへ行っていた
「ただいま」
出迎えはない
彼女がいない生活は、いつになっても慣れることができない
時間が遅いから寝てしまっていたのではないか、とあり得もしないことを思い描く
いつもだったら、遅くなるから寝てて良いと言っても
『おかえりっ!』と眠い目をこすりながら笑顔で出迎えてくれた
いつもだったら。
自分の心の中にある《ほとけ》という名の空洞にまた、冷たい風が吹く
俺の中でどれだけ彼女の存在が大きいものだったのだろうか
今更気づいても遅いのに
もう俺の手は彼女に届かないのに
彼女との思い出に触れるたびに苦しくなってしまう
「っ…ほとけっ…」
傷をなぞっても、痛みに慣れることはなく、
ただただ痛みが増すのみ
「俺はどうしたらええん?笑」
何をする気も起きず、バルコニーに出る
「あれ、」
先程曇っており、出ていなかったはずの星が顔を出している
その中、一際輝いている星を見つけた
「一等星、って言うんやっけ…」
昔、小学校で習ったなと思い出し、笑みを浮かべる
ふと
《一等星》
そんな言葉が彼女にはピッタリだなと思いつく
「まだお前がおった時に言うたら良かったな笑」
「でも、」
“俺だけの一等星でおってや”
呟こうとした言葉を飲み込む
「俺めっちゃ束縛彼氏みたいやん笑」
「てか俺、何しとんのやろ笑」
「星はほとけとちゃうんに…」
もう一度会いたい
会って抱きしめたい
謝りたい
つっけんどんな態度を取ってばかりだった
優しくできなかった
それでも、彼女は
仕事がつらいときはいつも慰めてくれた
いつも太陽のような笑顔を向けてくれた
助けてもらってばかりだった
なのに
こんな弱い彼氏でごめんな
星が今放っている光は俺達が生まれる前のもの
もし、彼女が星になっていたとしてもあれではない
分かっていても、考えてしまう
(あいつが一等星、か
本当に、彼女を一言で言うなら、一番似合う言葉はこれなんだろうなと思う
(でも俺には似合わんな、そんな眩しい心は
住んでいる世界が違った
“ほとけ”は誰からも好かれる一等星
俺達はそんな一等星の引き立て役
でも、そんな一等星の隣にいることができて嬉しかった
不意にほとけとの思い出は過去なんだ、と感じる
分かっている、分かっているけれど
何かが違う
ほとけの存在は過去でも、思い出は過去ではない
俺が生きている限り、ほとけとの思い出は生き続けるから
俺がほとけとの思い出を無かったことにしない限りは、ずっとあいつは生きているから
思い出という形で生きているから
あの星はほとけではなくても
「なぁ、ほとけ?星になったんか?
お前昔から一人だけ輝いとってほんまに星みたいやったけどな笑
でも、星になったんやったらさ、」
言葉を飲み込む
この言葉は届いているのだろうか
空に向かいぶつぶつと呟いているだなんて、笑い者となるネタでしかない
伝えたい
伝わらなくても良いから
「星ってさ、永遠じゃないやん?
子供が思っとるんと違うくて、星っていつか爆発するもんやし笑」
「でも」
「永遠じゃないお前に、俺から永遠の愛あげるから」
「お前がおらんから今めっちゃ大変なんやで?笑」
大変、で済むのだろうかと思い苦笑する
自分が自分でないような感覚に落ちる
「やから、」
「ずっと俺のそばにおってな」
(愛してる
この一言はまた来世で
(やっぱダセぇな、俺
今までも言えてたらここまで後悔はなかっただろうに
またこれからは毎日、姿が見えなくても話しかけ続けても良いだろうか
俺がお前を愛してるのは変わらないし、変わりたくもない
俺が愛する人はお前だけだから
また、お前の隣にいさせてほしい
空に向かい、手を伸ばす
もちろん何かに触れる訳でもない
でも、この手が届かなくても心で繋がってるから
喧嘩した日も、次の日にはお互いケロッとしてまた2人で笑い合っていたように
伸ばしていた手に何かが触れる感触があり、顔を上げると
目に涙を浮かべている”彼女”の姿がぼんやりと見えた
驚いて固まると、”彼女”は笑みを浮かべ、スウっと溶けていった
『またね』
心なしか、眺めていた一等星の光が静かに瞬いた気がした
ℰ𝓃𝒹
どうでしたかっ!
始め曲パロにしよっかなー?って思ってたんですけど、あ、無理だって思ってぐだぐだになっちゃいました笑
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