テラーノベル
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名前を呼ばれた。
「速中伝令」と。
…後ろを振り返る。
結局、誰もいない。
そらそうだ。この時間帯、ここを通る人は滅多にいない。
さっさと…自室に帰るか。
家に帰って。
自室に入る。
何者かから逃げるように。
バタン!と。
扉が勢いよく閉まった。
そのまま僕はベットに倒れ込む。
…心から何かを遮断するように目を閉じる。
それでも瞼の裏に映るのは、
鮮血の雨。
死んだアスファルト。
■■■■?
誰かの悲鳴。
誰かが…僕に話しかけている。
声は聞こえないけれど。
誰かの絶望。
この都市じゃ、命なんか保証されない。
それでも人は縋る。
藁にでも縋る思いで、どこかの組織の加護下に入る。
…結局、無駄なのに。
自らの意思で、地獄を選択する。
瞼を開く。
自室の天井。
あまりにも無機質で、白い天井。
なんとなく何かをつかもうと手をかざす。
当たり前だ、何もない。
ぼーっとしてる暇もない。
いつ殺されるかも分からないのに。
その時。
家のインターホンがなった。
「速中 佳音奈さーん!いますか〜?」
友人のラピスだった。