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退院した日の午後。
俺は久しぶりの校舎の前に3人が揃った。
まだ少し歩くのがゆっくりだけど、笑顔は以前よりずっと明るかった。
体が軽い。
「おかえり、ゾム!」
シャオロンが真っ先に声をかけて来た。
その後ろから、ロボロも笑いながら手を振った。
「ずっと待ってたで。お前、ほんまに帰ってきたな」
あの“夢”で見たロボロが、まさか現実にいるなんて。
「ロボロ…お前、俺の妄想なんかじゃなかったんやな」
ロボロはにっこり笑って答えてくれた。
「そらそうや。俺はずっとここにおった。お前のそばで、ずっと。」
「お前が事故で何年も寝てる間、シャオロンと一緒にずっとお前のこと考えとったんやぞ。」
少し照れくさかった。
「俺な、あの時のこと全部、夢みたいに感じてたけど…もうわかる。あれは夢じゃなくて、俺の心が叫んでたんや」
「ゾム、これからは無理せんと、ちゃんと俺らと歩いていこな。」
シャオロンの言葉に、俺は力強く頷いた。
「ありがとう、2人とも。俺、もう一人で悩まへん。」
ロボロが腕を組みながら言った。
「さあ、帰ろうぜ。秘密基地に行こか、昔みたいにな。」
夕陽が3人の影を長く伸ばす。
これからは一緒に、現実の中で笑い合える未来が待っている。