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ハルバードが墜ちた。
……もう何回目だろう。というか、何故私の船はこんなにも墜ちるのだろう。
クーデターを企てたあの日、突如飛んできたカービィによって墜とさたのを皮切りに、月2回……流石にそれは大袈裟かもしれないが、それだけ高頻度で墜落している。
あの時は、まぁ…私が浅はかだったかもしれないが。それにしたっておかしい。
第一、もうこの国をどうにかしてやろうだなんて、計画どころか思ってすらいないのだ。
正直かなり精神的に来ている。ただでさえ仕事に追われ、カービィのアポ無し訪問に手を焼き、ドロッチェからの謎のアプローチに苦悩しているというのに。部下にもこれ以上、少しだって迷惑をかけたくない。
そしてついに、精神より先に物理的にカタが来た。
戦艦を作り直す資材が尽きたのだ。
資金も気付けば渇々。
つまり。
メタナイツを食わせていく金が無い。
限界だ。そう思った。
彼らには早々に話をした。内容はこうだ。
『其方達を養っていく金は(残念ながらもう)無い。(本当にすまないが働き口も見つけてあるので)退職金だけ持って出て行ってくれ。』
バル艦長は金を持って出て行った。今頃デデデ城で何かしらの役割を得て働いていることだろう。
しかし、水兵を含むメタナイツは出て行こうとはしなかった。
「どんなに辛くても、腹が減っても、俺たちは貴方様に着いて行きます。」
泣きながらそう言った。
まるであの時だな。と、そう懐かしい思い出に耽りながら、私は私を信じて着いて来てくれる彼らを、食わせていかなければならない。
そう誓ったのだ。
己の何に変えてでも。