⚠注意⚠
注意書きは一話にあります。
しんぺい神:いい考え?
オニユリ:ええ。あの世界に魔法を使えるようにするわ。そうすれば好き勝手に暴れてくれるでしょうし、その被害にあった人間を見極める。
ゴッド:一度あのまま時間を進めていいんですか?
オニユリ:そうならないようにあなたにはあの世界に行ってほしいの。
しんぺい神:自分ですか?
オニユリ:ええ。もうすでに観察が始まっているのだけれど、おおよそのあたりがついているの。そこの人たちのところに行ってほしいの。
しんぺい神:何をすればよろしいですか?
オニユリ:一枚保護膜を張ってほしいの。そうすれば一度エリカに好き勝手にしてもらって、巻き戻しを使えるの。
ゴッド:巻き戻し?
オニユリ:ええ、タイムリープって言ったほうがわかりやすいかしら?
しんぺい神:なるほど、分かりました。
ゴッド:勝手に後輩を使わないでくださいよ
オニユリ:あら?あなたのお気に入りの子が対象になっているのよ?それでも構わないの?
ゴッド:え?
オニユリ:チーノって子あなたのお気に入りじゃない。
ピクリと肩が動く。天国にいる神は人間界への出入りが自由である。そのためゴッドが人間界へ行ったときにつきまとっていたのはガオナァ・チーノである。
その人が対象であることはアリッサムが提案してくれた人たちの中に含まれている。お気に入りをそうそう手放すような神ではないからこの提案に乗ることだろう。
紅茶を口に含む。すっかり冷めてしまった。なかなか決断してくれないのだから仕方ないことではあるのだけれど。
ゴッド:いいでしょう。
オニユリ:それじゃあ今からよろしくね。
しんぺい神:へ?
オニユリ:そこの扉をくぐれば目の前よ。追加で情報が手に入り次第あなたのもとに蝶を送るわ。
しんぺい神:ま、待って
オニユリ:さあ、いってらっしゃーい
渋るしんぺい神を扉に押し込み送り出す。少々手荒な真似ではあったがこうでもしなければ長引くだけである。
オニユリはパチンと指を鳴らし、地球を作り出す。そしてある一点を拡大し、様子を確認する。口角が上がっているからしんぺい神を所定の位置に送ることができたのだろう。
オニユリは何かを口にするが、ゴッドには何もわからなかった。ただその言葉は時間を速める魔法であることだけ。
宙に映し出された映像の中の人間はもうスピードで動いている。それを目で追っていけるのだからさすが魔女といったところだろうか。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!