『…は、?』
棗「い”っ…」
え、待って…
何、何が起こったの…?
目の前には片目を押さえて蹲ってる棗ちゃん
押さえてる片目からは血が出ている
棗「ちょっと、外出てくる…」
そう言っていなくなった棗ちゃんに
僕は動けずにいた…
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜棗side〜
チッ…!!気ぃ抜いた…!!
最悪…!!!
よりによって治すの時間かかる右目…!!
『右目潰された…!!』
月「姫!!さっき!」
私の右目を見て月は血管が浮き出ていた
『ごめん、しくじった。場所分かる?』
月「向こうじゃ」
『せんきゅ』
月「案内する」
『有難い』
▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
『…やっぱてめぇかよ。姉貴。』
姉「あらあら。まだ生きてたのかしら?」
『はっ…俺はしぶといンでね』
『俺が出会った中で銃を使えるのは
お前しか居ねぇ。』
わざと一人称を”俺”にする
姉「確かに…まるでゴキブリ並のしぶとさねw」
『うぜーw』
姉「いつまで生きてるのかしら?w」
『その言葉そのまんま返してやるよ』
姉「ていうか、なんでアンタが
女の格好してるのよ。気持ち悪い」
『そりゃ女だからな』
姉「あら。でももう関係ないわね
だってアンタはここで…」
姉「死ぬんだから!!!」
そう言って襲いかかって来る姉貴
それを素手で受け止める
『妹に向かって酷いこと言うじゃん』
ヘラヘラしてる私に完全にピキる姉貴
姉「それが…姉様に言う態度なの!?」
『はぁ…姉様姉様うるせぇな』
お兄ちゃんの呪言借りるか…
姉「なっ…」
『う”っ…はぁっ…はぁっ…』
呪言の影響で口から垂れてくる血液
あれ。呪言ってこんな負荷あったっけ。
ま、いいか。
姉「…ふっ。
後ろにも気をつけろって言われなかった?」
『…あ。』
『い”…』
チ、右目見えねぇの忘れてた…
『もういい加減諦めてくれねぇかな』
姉「無理よ。アンタが死ぬまで追い続けるわ」
『1番迷惑だなぁソレ』
姉「煩いわね」
『五月蝿いのはテメェだよ』
姉「口だけは達者ね。私ね、成長したの。
もっとアンタを苦しめるために!!」
そう言うと姉貴が出したのは…
『電気の…杖?』
月「姫ッ!!!避けろッ!!!」
『ぐっ…』
雷かよ…ざけんな。立てねぇし…
姉「あら。無様ねw」
『懲りないなぁ、』
ていうか、
『この前殺り合った時
そんなの持ってなかったじゃーん』
姉「これ借りたの。
異能にだけ効く特殊な武器よ」
ほー…異能にだけ、ねぇ…
そんなの、効かなくすればこっちの物
呪言はなんでもできる。
だけど、大きいものを動かすとなると
かなりの体力が必要になり、
多くの負荷がかかる。
最悪の場合は自分に帰ってくる
『お”ぇ”っ…』
やべ、立てねぇ…
チッ…くそ。うっざ。
ちゃっちゃと片付けるか
『絢爛…』
『謳って狂ってサヨウナラ』
姉「また、負けるの…!?」
『確かに姉貴は強い。だけどまだまだだね。』
姉『チッ…この奴隷の分際でぇぇぇ!!!!』
あ。飛んでった。
『あは…立てねぇ…』
ーprrrーprrrー
誰だよ。こんな時に、
悠「イヴ先輩!!やっと出た…!!
どこにいるんですか!!」
あ。虎杖くんだ。
『校庭裏。3分で来て』
悠「え、ちょ、ま」
ブチッ
よし。来るかな。
『それにしても、負担大きすぎるな…』
吐いた血の量がえぐい。
多分体内の3分の1は出てる。
『…もっと強くならなきゃ、』
さっき本気のほの字も出てないけど
放った術式が術式だから負荷がすごい。
ビビるわ
『あー…力入んねー…』
後で憂くんに片目治してもらおうかな…
家入さんでもいいけど…
『みんな心配するかなぁ。』
特にお兄ちゃんと憂くんらへん。
あとは伏黒くんとか…
『…私、今ちゃんと愛されてる。』
思わず頬が緩む
みんなと出会って、私も変わったなぁ…
もうすぐで、笑えるようになるのかな…
悠「先輩!!」
あ。来た。それに声枯れてきた。
『い”た”と”り”く”ん”』
悠「これ全部先輩が?」
『う”ん”』
悠「一体何が…」
おっと、痛いところ突いてくるね
『な”い”し”ょ”』
悠「あ…眼見せてください。」
『…?い”い”よ”』
じーっと見てくる。
悠「後で家入先生の所行きましょうか。」
『…う”ん”』
悠「…ちょっとすんません」
『…?』
髪を触ってくる虎杖くん。どうしたんだろ
悠〘頭は切れてない…な。〙
…あ。心配してくれてるんだ
悠「おぶりますよ」
『あ”り”か”と”』
悠「イヴ先輩無茶しすぎです。」
『あ”は…』
悠「少しは頼ってくださいよ」
『…』
迷惑かかると思っちゃうんだ。ごめんね
悠「別に迷惑だなんて思ってないっすから」
『…!』
『…い”た”と”り”く”ん”エ”スパー”?』
悠「ははっそんなんじゃないっすよw
貴方を守らないと宿儺に怒られちゃうんで」
宿儺に…?
悠「宿儺はイヴ先輩のこと気に入ってるんすよ」
え、初耳なんだけど??
なんで???
悠「イヴを守らないと殺すって言われましたし」
『えぇ…』
そんなこと言ったの?やっば。
▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
寮に着くなり共同スペースに皆はいた。
『こ”め”ん”な”さ”い”』
沈黙が流れる。
憂くんは下を向いていて、顔はみえない
ぎゅっ
野「先輩!!無事でよかったです!!」
『…え』
真「まさか怒ってるとでも思ってたのか?」
『コクッ』
棘「おかか!すじこ?」
(怒ってないよ!傷大丈夫?)
『薔薇』(うん)
恵「心配しました」
『サクラ…』(ごめんね…)
パ「それより憂太なんとかしろー。
喋らないんだ。」
『…』
憂「…」
『…ゆ、う、た』
憂「…」
『ゆーた!!!』
憂「…どうしたの、?」
『クローバー!』(私は大丈夫だよ!)
憂「…うん」
ポタッと涙を流す憂くん
真「なんでお前が泣いてんだよ」
『泣かないでぇ』
服の袖で憂くんの目尻に溜まった涙を拭う
『わっ』
憂「…良かった…本当に…」
『濡れちゃうよ』
棘「おかかぁ〜!!」
私の腕を引き、
自分の腕の中へ収めるお兄ちゃん
『うぐぇ…』
痛い痛い痛い
強い!!力つっよ!!
真「棘。そんな強くしたら骨折れんぞ」
『禅院ちゃ____』
真「真希な。」
『ありがと。真希ちゃん』
真「なんで同年代なのにちゃん付けすんだよ」
それは私が一個下だからですよ
『じゃあ、真希…?』
真「おう」
野「私も下の名前で呼んで欲しいです!!」
悠「じゃあ俺も!!」
恵「俺も。」
棘「しゃけ〜!!」(俺も〜!!)
『えっと…野薔薇ちゃんに悠仁くん、
恵くんに…狗巻くん…』
棘「おかかぁ!?」(なんで!?)
下の名前じゃないことに青ざめるお兄ちゃん
え、そんな??そんなショック?
パ「イヴ〜。可哀想だから呼んでやれよ〜」
しょうがないなぁ…
『…じゃあ、1回だけ…』
『と、棘…くん…』
下の名前で呼ぶと
分かりやすく固まるお兄ちゃん
棘「た…た…」
『た?』
棘「高菜ぁぁぁぁ!!!!」
そして思いっきりタックル。
『ぐえっ』
いって。
危な…吐きそうになったわ
憂「大丈夫?やばい音なったけど」
『薔薇〜』
うーん…どうしようかな…
『あの…
とりあえず引っ付いたままでいいから
家入さんの所行ってもいいかな?』
棘「…しゃけ」
『だって。行こうか憂くん』
棘「おかか!!!おかか!!!」
『憂くんダメ?』
棘「しゃけ。」
『そっか…』
憂「お粥は僕の部屋に置いてあるから
治したら来てよ」
『じゃあそうする。ごめんね憂くん』
憂「仕方ないよw」
申し訳ないなぁ…
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜野薔薇side〜
真「ほんとイヴって鈍感だよな」
真希さんが言う
『そうですね。』
パ「憂太も棘も可哀想だよな」
憂「早く気づいて欲しいけどなぁ…」
イヴ先輩も少し可哀想だな
恵「…」
ん?伏黒…体調悪いか?
悠「どした?伏黒。」
恵「…なんでもない」
伏黒…もしかして…
『…伏黒。ジュース買いに行こうぜ』
恵「…だるっ」
そんなこと言うなー
『行こうぜー』
恵「はぁ、分かったよ」
悠「俺も行こうか?」
『大丈夫ー。2人で行けるー』
そう言えばイヴ先輩って何飲むんだろ
乙骨先輩に聞いてみるか…
『乙骨先輩。』
憂「ん?」
『イヴ先輩って何飲むんですか?』
憂「んー…いちごみるくかな」
真「うっわ。体悪そ」
いちごみるく甘くて美味しいのになぁ。
それにしても意外かも。
表情が変わらないのにいちごみるくみたいな
ゆるっとしたの好きなんて
スイーツとか好きなのかな…イヴ先輩。
バイキング誘ってみようかな。
ん?表情が変わらない所狗巻先輩と似てる…
2人とも呪言師だからかな
ま、いっか
▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
『はい。伏黒持って』
恵「ちょっと待て。絶対量が対等じゃない。」
『私、女子よ?』
恵「はぁ、なんで俺と一緒に?
虎杖とでも良かっただろ」
『伏黒さぁイヴ先輩のこと好きでしょ?』
いやわかり易すぎ。
あとそれ先輩たちに渡すジュースな。
殺すぞ
恵「な、違う。」
『へぇ…好きなんだ』
恵「にまにますんな気持ち悪いぞ」
『ひっど!!』
『で?好きなの??』
恵「…かもな。」
『ひゃぁぁ…!!青春してるなぁ!!』
悟「可愛いね!!めぐみん!!」
…は?
『は?』
恵「盗み聞きですか?趣味悪…」
悟「いいじゃーん。それに
僕から恵に良い事教えちゃう☆」
良い事…?
悟「実は…イヴは…」
悟「ぬいぐるみと料理を
作るのが得意なのだ!!!」
へー意外。
恵「俺にどうしろと??」
悟「一緒に作ってみれば?」
でも伏黒って…
恵「俺、料理得意じゃないです」
だろうな…
悟「でも少なくとも一緒に作ったら
仲深まるんじゃなーい?」
恵「…はぁ、やってみます。」
悟「そーいえばなんだけど。
イヴどこにいるかしらなぁい??」
探してたのかよ…
『イヴ先輩なら狗巻先輩と
硝子先生のとこ行きましたよ』
悟「棘とかー…」
なんかあるのかな?
悟「ま、いっか。教えてくれてありがとー」
『行こーぜ伏黒』
恵「…」
『伏黒?』
恵「あ、おう。」
…五条先生も伏黒も、変だな。
゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+
〜棗side〜
硝「で?怪我をしたと?」
『…はい。』
硝「気をつけろよ。
イヴは綺麗な顔立ちしてんだから」
『そう、ですかね…?』
硝「…で、それ何だよ」
ずっと引っ付いてるお兄ちゃんを指さす
正直このまま移動してたから
体力の消耗がえぐい
『そろそろ離れてくれませんかね…?』
棘「おかか!!!」
『ソウデスカ…』
『て、感じで…離れてくれないので…』
硝「ふぅん…」
家入さんは興味深そうに見ていた
悟「イヴー。棘ー。」
いきなり現れないで欲しい
『…?』
棘「すじこ。」(悟。)
悟「探したよ〜」
『私をですか?それとも狗巻くんですか?』
悟「もう!イヴに決まってるジャーン」
『何故。』
悟「僕とお話しようか。後ででいーよー」
怒られるのかな…
『…はい』
悟「説教じゃないから安心してね」
良かった…
硝「はい。治ったよ」
『すみません。毎度毎度…』
硝「ありがとうでいいんだよ」
『ありがとう…ございます』
硝「ん。これ持っていきな」
そう言って渡されたのはいちごみるくの飴
『わっ…よくこれ好きって知ってますね…!』
硝「好きそうだから買ってきて良かった
味わって食べろよ〜」
『ありがとうございますっ…!』
▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀▲▶▼◀
『狗巻くん一緒に食べよう…?』
校庭にあるベンチに座り、ぽんぽんと隣を叩く
棘「しゃけ」(うん)
『狗巻くん、薬飲んだらどうかな?』
棘「しゃけ〜」(そうする〜)
棘「あーん。してよ」
おいおい…まじかよ…
これでも中身貴方の妹なんですけど。
『…わかりました。はい。』
棘「あー…ん…甘くない?これ。」
『それが良いんですよ』
棘「そうかなぁ…」
お兄ちゃんは変わらないよね、
棘「でも甘くて美味しいかも。」
『デスヨネ。ワカリマス。』
棘「すっごい棒読みなんだけど」
『はは』
棘「イヴってコーヒー派?カフェオレ派?」
『両方行けますけど気分によりますね』
なんでその質問選んだ?
数ある質問の中からなんでその質問??
『狗巻くんはカフェオレ派ですか?』
棘「うん」
知ってましたけども
棘「イヴさ、俺の妹に似てるんだ」
妹ですからね
棘「この前会ったんだけど拒絶されてさ」
してないです。お兄ちゃん勘違いしております
棘「初めて好きになったんだ。妹を。
可笑しな話だけど。」
ほぇ、、
棘「血繋がってなかったら
結婚できたのかなとか思うんだ」
血繋がってないよ。お兄ちゃん
棘「ふふっ。僕の大切な宝物。」
『そう、ですか…』
待って気まず。超気まずいんだけど
言ってしまえば、楽になれる…?
言ってしまえば、もっと傍に居られる…?
『狗巻くん…私、私ね…!!!』
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