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黄昏の公園。木漏れ日が差し込むなか、若者たちは他撮りで笑い合い、青春を切り取る一瞬に夢中だった。その輪の外で、エミメルダイアリーは静かに三脚を立てる。カメラを見つめるその瞳には、他者の視線では埋められない空洞があった。
カシャ。
また一枚、自分で自分を写す。作り笑いの奥に滲むのは、笑顔の仮面を剥がしたあとの孤独と飢え。
#毎日が笑顔で溢れてる
タグは明るく、投稿されている写真達は満面の笑み。しかし、そこには、誰にも求められていない“幸せの演技”が焼きつけられていた。
周りが本当にキラキラの笑顔の日常を載せている中、1人で三脚を立ててまで悍ましいセルフィーを、撮る。特大承認欲求と自己顕示欲。虚しくならないのだろうか?
#毎日が笑顔で溢れてる
他人に見せるための「今」を積み重ねるうちに、本当の自分の輪郭はぼやけていく。承認欲求に取り憑かれた魂は、今日も一人でシャッターを切る――誰かに見つけてもらえるその日まで。承認欲求の檻に囚われた彼女は、今日もまた自分だけの仮面を写し続ける――虚しさが満ちるまで。
まさに――SNSが生み出した、令和の特級呪物であった。