TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

今日は決戦の日、、と言うと大袈裟だが私にとっては運命の日だ。なんと言っても今日はバレンタインデー、普段ならチョコを貰えるかどうかそわそわしてしまうところだが今年の私はむしろ渡す側なのだ。渡す相手は長年の片想い相手、こめしょー。相当拗れたこの思いを今年こそ打ち明けねばと思い、このチョコレートを用意した。最悪の場合もう二度と今までのようには接することが出来なくなるかもしれないけれどこのまま何もせずにこめしょーに彼女が出来たりしたら私はきっと後悔してしまう。前置きが長くなってしまったが要は私は今日こめしょーにチョコレートを渡して告白するのだ。

「、、そう決意したはずだったんだけどねー」

「ん?なんか言った?」

「いやこっちの話」

まさか、まさか今年に限ってこいつチョコレートを受け取り拒否するだと!?こめしょーはモテるほうだし毎年女の子から本命含めたくさんのチョコレートを貰う。いつもなら喜んで受け取っていたのに何故今年に限って、、!

「ねぇなんでチョコレート貰わないの、?」

「あー、、今年はちょっとな」

、、もしかして本命いる感じですかねこれは。その子から以外は受け取らない的な??最悪だ。私の天性の運の悪さはこんなところにまで出てきてしまったらしい。せっかく用意したこのチョコレート、渡すことすら出来ないなんて。

「あ、そうだ雨栗今日放課後ちょっと残っててくんね?話あるからさ」

一体何を聞かされるんだ。もし好きな人いるんだよね、だなんて言われたらもうその場で泣き崩れるかもしれない。そう思いつつも断るための口実が浮かばず、頷くしか無かった。

ついに放課後になってしまった。すっかり人の居なくなった教室に、私とこめしょーだけが残っている。こめしょーはなにか決心したような顔をして口を開く。

「っあのさ、俺ずっと好きな奴がいるんだよね」

終わった。告白する前に振られるなんて。目の奥が熱くなる。今にも涙が溢れてきそうで俯いて顔を隠した。

「そう、なんだ」

「でさ、その好きな奴ってのが雨栗なんだけど、、」

「へ、?」

信じられない言葉が聞こえてきてこめしょーを見上げる。こめしょーの好きな人が私、、?たちの悪いドッキリでも仕掛けてるんじゃないかという考えが頭をよぎったがこめしょーの顔を見ればそうじゃないことはすぐにわかった。

「まじぃ、、?」

「俺と付き合ってくれますか?」

はい以外の選択肢なんてある訳ない。

「私も、、こめしょーのこと好き!」



「なぁんてこともあったよねぇ」

「何年前の話してんだよ」

「いや今日バレンタインでしょ?だからさ」

こめしょーにチョコを渡しながら言う。何回も何回も渡しているからさすがに慣れてきてしまった。

「ホワイトデーのお返し何がいい?」

「んー私の好きそうなものかな」

本当はホワイトデーにお返しよりもこめしょーが私の事を考えて選んでくれたって事実が嬉しくって仕方ない。このことはこめしょーには絶対言ってやんないけどね。

「お返しはまた考えとくからさ、例年通り、な?」

「明日も仕事なんだけど」

「大丈夫大丈夫、優しくするから」

「そう言って優しかったこと1度もないんだよなー」

「えー、やなの?」

「、、そうは言ってない」

「あ”あ”かわいい!!」

この作品はいかがでしたか?

370

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚