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次の早朝、宿屋の広場でユミトは頭を抱えていました。「どうして、最高司令官様が私なんかに…」疑問に思っていると、突然誰かが後ろから飛びついてきました。「どうしたのー?そんな顔して」飛びついてきたのはジネヴラでした。「あ、もしかしてAランク昇格試験のこと?」「!、どうしてそのことを?」ユミトは驚きました、なにせジネヴラ達にはまだそのことを伝えていないからです。「レイラさんから聞いたんだ!なんかひどいよねユミトちゃんの実力を疑うなんて!」ジネヴラはぷんすか怒っていました。ユミトはジネヴラが怒っていることに少し勇気がもらえました。「仕方ないよ、Gランクが急にAランクになると疑いもするよ」「でもー」ジネヴラは頬を膨らませました。「大丈夫、Aランク昇格試験で証明してみるから」ユミトはジネヴラをなだめました。「ユミトがそう言ってるんだ、心配するな」後ろを見るとアウレリオがこちらに向かって言いました。「ユミトの実力は俺たちは知ってるんだ、なのにユミトを信じてやらないでどうする」アウレリオはジネヴラに言いまいした。「たしかに…」ジネヴラは不服そうだけど信じないのはおかしいなと思いました。ジネヴラはユミトに向き直りました。「ユミトちゃん絶対に合格してね!」「もちろん!」ユミトは二人に向かって笑いました。「そうだ、これを持っていきなよ」アウレリオはポケットから何かを取り出しました。「なにこれ?」アウレリオの手には中央にオーロラのような宝石と金属にきれいな装飾が施されたバッジがありました。「アミュレットっていうお守りだ、何か起きた時に身代わりになってくれるんだ」ユミトはなるほどっと頷きました。しかし、それと同時に戸惑いが生じました。「こんな高価なものもらっていいの?」「あぁ、構わない、それに昇格試験は何が起こるか分からないからな、持っておいたほうが良い」アウレリオは言いました。ユミトは困惑しながらもそのアミュレットを受け取りました。「ありがとうございます」ユミトはお礼を言いました。早速ユミトはアミュレットを付けました。「じゃあ、そろそろ時間だし、行ってくるね」アウレリオとジネヴラは微笑みました。「あぁ、いってらっしゃい」「気を付けてね、ユミトちゃん!」二人はユミトを見送りました。
「まずは、ジェシ…じゃない、アンナさんとの待ち合わせ場所はここだったよね」ユミトはアンナの居る場所へと到着しました。しかし、そこにはアンナらしき人はいませんでした。「おかしいなぁ、場所はここで合ってるんだけど…」ユミトは辺りを見渡しました。すると、「あなたがユミトですか?」後ろから突如として声が聞こえた。慌てて後ろを見ると。普通の冒険者の装いをした女性がいました。「えっと…はい、そうです」ユミトは聞かれた質問に正直に答えました。「情報通り、黄色い花の髪飾りをしているんですね、それに剣も」アンナはユミトをまじまじと見て言いました。ユミトが困っていると「ごめんね、困らせちゃった」アンナはすぐに見るのをやめました。「それよりも早く集合場所に行きましょ、遅れたら怖い目で見られるよ」そうしてユミトとアンナは試験場所に向かいました。「私の本当の名前も身分もレイラから聞いているんでしょ?なら、お互い正直に話しましょ」アンナことジェシカは言いました。「あなたに興味を持ったのは、神獣の件以外にもあるの」「…え?」ユミトはジェシカの話に食いつきました。「前に龍がここを襲ってきたでしょ?そのときに追い払ったのはあなたって聞いてね、その時にあなたにしか頼めないと思ったの」ジェシカはユミトに何の躊躇もなく話していました。「頼みごとって何?それになんで私にしかできないの?Sランクパーティのアウレリオたちとか」ユミトはジェシカに聞きました。「たしかにあの子たちを使うのも視野に入れたのでもね」ジェシカは真剣な表情になりました。「私がパーティと合わせるのが苦手で」ジェシカはよそよそしく言いました。それに思わずユミトはポカンとしました。「だってね、私は普段はまとめることをやっているのよ、でもあまり協力をしないから、衰えちゃって」「なんか、ごめんなさい」ユミトは申し訳なく思ってしまいました。「謝らなくていいよ、今度からちゃんとしておくから」ジェシカは言いました。「でもペアなら出来るから、ユミトとなら出来るよ」しかしユミトは少し不安を覚えました。「でも、私との実力の差が広かったら難しんじゃ?」「大丈夫!敵の10人や20人くらい楽勝だよ!」ユミトはそうじゃないと頭を抱えました。(私がジェシカさんより弱かったらどうするんですか‼)ユミトは不安で不安でしょうがありませんでした。「それより着いたよ!予定より早かったね!」ジェシカはユミトに言いました。ユミトは前を見るとみんなが待っていました。(Aランク昇格試験、うまくいくかな…?)ユミトの不安は最高潮でした。