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へんな君:「……ここは?」
神様:「魔術の聖地――」
神様:「へんな島だ!!!!!!!」
へんな君:「……へんな島?」
神様:「そう」
神様:「ここは、魔術が最初に生まれた場所」
神様:「そしてここに」
神様:「さっき言った“10人の超人”が住んでいる」
へんな君:「いきなり過ぎない?」
神様:「ちなみに」
神様:「一番近くに住んでる超人はね」
神様:「変わった色の腕時計をつけた少年だ」
へんな君:「腕時計?」
神様:「困ったら」
神様:「天に向かって話しかけてくれ」
神様:「じゃ、健闘を祈るよ♪」
スゥーーーーーーー……
神様の姿が霧のように消えた。
へんな君:「……」
へんな君:「急すぎるでしょ……」
へんな君:「大丈夫かな、俺……」
へんな君:「とりあえず、この町歩いてみるか」
巨大なモニターに、無数の魔物の影。
神様:「……」
神様:「……もう動き始めているか」
神様:「急がないとな……」
へんな君:「あれ……?」
へんな君:「道、完全に間違えた……」
へんな君:「やばい……森、深すぎ……」
へんな君:「……」
へんな君:「……お腹……減った……」
へんな君:「……」
バタッ
へんな君は、そのまま地面に倒れた。
???:「よーし」
???:「今日はピクニック日和だ〜」
少年は軽い足取りで歩き、森へ入っていく。
???:「ふん♪ ふん♪ ふ〜ん♪」
その足が、ふと止まる。
???:「……ん?」
地面に倒れている影。
???:「えっ⁉︎」
???:「だ、大丈夫ですか‼︎」
へんな君:「……空腹で……死にそうです……」
???:「えええ⁉︎」
???:「ちょ、ちょっと待ってください!」
少年は慌てて荷物を開く。
???:「今、サンドイッチ出しますね!」
へんな君:「……神……」
???:「神じゃないです!」
サンドイッチを差し出す。
へんな君:「……ありがとう……」
パクッ
パクパクパク
へんな君:「……‼︎」
へんな君:「うまっ‼︎ 生き返った‼︎」
???:「よかった〜」
???:「それで……」
???:「どうして“奇跡の森”で、そんなボロボロなんですか?」
へんな君:「あ〜……」
へんな君:「神様って人に作られて」
???:「……」
へんな君:「いきなりこの島に飛ばされて」
へんな君:「家もなくて」
へんな君:「気づいたら森で迷ってました」
???:「……」
???:「……え?」
???:「神様……?」
へんな君:「うん」
???:「……」
???:「もしかして……」
???:「あなた、超人ですか?」
へんな君:「はい」
???:「……!」
???:「やっと……」
???:「やっと見つかった〜‼︎」
へんな君:「え?」
???:「僕も」
???:「神様に作られた超人の一人なんです」
???:「名前は――」
???:「ふつう君」
へんな君:「えーーーーー⁉︎」
ふつう君:「あなたも、ですよね?」
へんな君:「はい!」
へんな君:「ってことは……」
へんな君:「仲間発見‼︎」
へんな君:「……あっ‼︎」
へんな君:「変な色の腕時計‼︎」
ふつう君:「あぁ、これ?」
ふつう君:「神様、特徴で言ってたんですね」
へんな君:「うん!」
へんな君:「僕、へんな君!」
ふつう君:「よろしく、へんな君」
へんな君:「こちらこそ!」
二人が笑い合った、その時――
木の上から、静かに見下ろす影。
???:「……」
???:「兄さん……だ……」
不気味な視線だけが、森に残っていた。
(終)