テラーノベル
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KAIRYUはそこまでお酒が得意ではない。
それに比べRANはお酒に強く、メンバー同士での飲み会ではいつもRANがKAIRYUを見守り、最後は家まで送る。
メンバーには内緒で付き合っているが、KAIRYUが酔ってRANにメンバーの前でいつも家出しているように甘えだしてしまい…
「カイリュウ、飲みすぎ。ほら、お茶買いに行ったげるから一旦座り」
「んぁ……らんちゃん……? どこ行くん……? おれも行く……っ」
MAZZELの飲み会も終盤。
案の定、お酒の弱いKAIRYUはすっかり出来上がり、ろれつが回らなくなっていた。
対して、顔色ひとつ変えずにお酒に強いRANは、手慣れた手つきでKAIRYUのグラスをソフトドリンクに差し替え、甲斐甲斐しく面倒を見ている。
グループ内では「面倒見のいいお兄ちゃんコンビ」として通っているふたりだが、実は**メンバーには絶対秘密で付き合っている**。
普段のKAIRYUはグループの次男として、またプライベートでも「RANの頼れる彼氏」であろうと、二人きりの時以外はしっかりと距離感を保っていた。RANもそんな彼のプライドを尊重し、楽屋ではごく普通のメンバーとして接していたのだが――。
「カイリュウ、もう限界やろ(笑)。らん、いつも通り送ってやってな〜」とSEITOやTAKUTOが笑いながら声をかけた、その時だった。
立ち上がろうとしたRANの服の裾を、KAIRYUがぎゅっと力任せに引っ張った。
「っ……あ、カイリュウ……?」
「……らんちゃん……どこ行くの……っ、おれを置いてかんといて……」
普段の「男らしくて頼れるKAIRYU」はどこへやら。
お酒の勢いで自制心が完全に崩壊したKAIRYUは、潤んだ瞳でRANを見上げると、あろうことかメンバーたちの目の前で、自分からRANの腰にぎゅっと抱きついてしまったのだ。
「「「…………は??」」」
座敷の空気が一瞬で凍りつく。周りのメンバーたちの動きがピタリと止まり、全員の視線がRANとKAIRYUに集中した。
「え、ちょ……カイリュウ? お前、ランに抱きついてなに甘えてんの……!?」
「……か、カイリュウ……!? ちょ、みんな見てるから……っ!」
焦ったRANが小声で引き剥がそうとするものの、完全に家での甘えん坊モード(二人きりの時の『らんちゃん甘えん坊モード』)に入ったKAIRYUは、まったく離れようとしない。それどころか、RANの胸元にゴシゴシと顔を埋め、とびきり甘い聲でねだり始めた。
「……やだぁ……離れへん……っ。らんちゃん、今日もお家に泊まるんやろ……? 一緒にねんねするって約束したやん……っ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!????」
**ドサッ!!!!**
RYUKIは目が飛び出んばかりに開いて固まり、TAKUTOとSEITOは口を半開きにして絶句している。
「『一緒にねんね』……!???」
「え、待って、カイリュウ……お前家でランにそんな甘え方してんの!?」
「っていうか『泊まるんやろ』って……お前ら、まさか……っ!?」
秘密にしていたはずの「家での激甘な関係」どころか、交際事実まで秒でバレてしまったのだ。
顔をリンゴみたいに真っ赤にしたRANは、これ以上ボロを出される前にと、KAIRYUの脇に腕を滑り込ませて強引に立ち上がらせた。
「 酔っ払いの寝言やけん!! ほらカイリュウ、帰るよっ!!」
「んん〜……らんちゃん、抱っこ……っ」
「抱っこしない!! ほら、いくよ!!!」
背後から「おいRAN説明しろー!!」「マジかよカイリュウお前……!」という怒号のような追及の声が飛んでくるのを完全に無視し、RANはKAIRYUを担ぐようにして居酒屋から飛び出した。
◇
タクシーに押し込み、なんとか二人の部屋へと連れ帰ったRAN。
鍵を締め、静かになったリビングのソファにKAIRYUを降ろすと、RANは跳ねる心臓を押さえながら、はぁっと深い溜め息をついた。
「……もうっ!! カイリュウ!」
「……んぇ……らんちゃん、怒っとる……?」
ソファの上で膝を抱え、上目遣いで怯えたように見てくるKAIRYU。その耳はほんのり赤く、お酒の熱で瞳はうるうると揺れている。
「怒るやろ! メンバーの前で『一緒にねんね』とか言って……っ! 絶対明日からイジられるし、付き合ってるの完全にバレたけんね!」
ぷんぷんと怒るRAN。
すると、KAIRYUはゆっくりと立ち上がり、おぼつかない足取りでRANの元へ歩み寄ると、そのままRANの首元にガバッと抱きついてきた。
「……だって……っ」
「っ……ちょっと、カイリュウ……!」
「……みんなが『RANが送っていけ』とか『いつも通り』とか言うから……。らんちゃんが俺の『特別な恋人』なん、誰にも分かってもらえてへん気がして……嫌やったんやもん……っ」
「……え……?」
耳元で、消え入りそうな声で吐き出されたKAIRYUの本音。
酔っ払ってタガが外れたのは、お酒のせいだけではなかった。
楽屋や飲み会の場で「頼れる年上と面倒見のいい年下」として扱われるたび、KAIRYUの中で「俺だけのRANなのに」という嫉妬と独占欲がフツフツと溜まっていたのだ。
「……俺だけのらんちゃんなのに……みんなの前で、カッコつけるん嫌やった……っ。抱っこして欲しかったんやもん……っ」
身体を小さく丸め、RANの肩口に涙で濡れた瞳を押し当ててくるKAIRYU。
(……ズルい……やんっ。そんなこと思ってたなんて、聞いてない……)
さっきまでカンカンに怒っていたはずのRANの心が、一瞬で溶かされていく。普段は頼もしい彼氏ぶっているのに、お酒が入ると自分を独占したくてたまらなくなる、愛おしすぎる「俺の恋人」。
RANはそっと手を回すと、KAIRYUの背中を優しく抱きしめ返した。
「……バカ。みんなの前で言わなくたって、俺はカイリュウだけのものやけん…」
「……ほんま……?」
「うん。……でも、今日のお仕置き。あんなに可愛く甘えてバレちゃったんだから、明日の朝、覚悟してね?」
「……ん……らんちゃんになら、なんでもええよ……♡」
照れ隠しに耳元で囁くRANに、KAIRYUは満足そうに口角を上げると、そのままRANの首元に温かい吐息を吹きかけながら、幸せそうに深い眠りへと落ちていくのだった。
コメント
1件
まるもりさん、読ませていただきました〜!もう、もうもう!最初から最後まで可愛すぎて悶えました…!普段は頼れる彼氏なのに、お酒で甘えん坊全開になっちゃうKAIRYUと、呆れつつもちゃんと受け止めてあげるRANの関係性が尊すぎます。特に「俺だけのらんちゃん」って本音が出ちゃうところ、グッときました。秘密がバレちゃった後の二人だけの空気も、甘くて温かくてすごく好きです。続きも楽しみにしてますね🌷
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