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森の中、まだ小さな火を灯したまま、ミライは慎重に歩いていた。周囲の木々の影が揺れ、風の音や遠くで聞こえる小動物の鳴き声が、彼女の緊張感をさらに高める。
「…誰かいるの?」
小さな声でつぶやくが、返事はない。
しかし、木の間にちらりと見えた光に、彼女は息を呑んだ。
それは、冷徹な科学者タイプの敵、シグマのランタンの光だった。
シグマはじっとミライを観察していた。彼の狙いは単純だ。火を使うミライの行動を妨害し、森から追い出すこと。
ランタンを振り、煙の流れを操作して、少女の視界を遮ろうとする。
「煙…?」
ミライは目を凝らすが、あっという間に煙の壁が迫り、森の中が見えなくなる。
恐怖が胸を締めつける。しかし、ミライは立ち止まらない。
「怖くなんかない…生き延びるんだ!」
彼女の瞳は決意で光る。火と石を使ったあの経験が、彼女に力を与えていた。
ミライは素早く周囲を見渡し、地面の石や枝、葉っぱを手に取り、即席で小さな装置を作り始める。
「これで…煙の流れを変えられるはず!」
火の熱と風の力を利用し、煙の方向を一瞬変えることに成功する。
シグマの視界がわずかに遮られた隙に、ミライは森の奥へ足を踏み出した。
息を切らしながらも、心の中で笑みがこぼれる。
「やっぱり…科学は、あたしを裏切らない!」
しかし、森の奥にはまだ多くの危険が待ち受けていた。
遠くの闇の中で、シグマの冷たい視線が、次の一手を静かに計算している――。
ミライとシグマ。森という舞台で繰り広げられる、頭脳とひらめきの戦いは、まだ始まったばかりだった。