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「鉄朗…?その人…。」

「あ〜ぁ…、えっと…、これはだな…。」

「ふふ、浮気ですけどなんですか?おばさん?」

「ちょ…?!」

「いいよ、『黒尾さん』、言い訳は。じゃあね、私行くから。」


*****


浮気か…。

するタイプじゃないと思ってたのに。

「失望したなぁ…。」

デスクの上で、原稿が写ったままのパソコンを前に突伏する。

結局昨日の夜は、会社の近くのビジネスホテルに泊まった。

慣れない場所で寝たからか、疲れが取れていないようだ。

体がだるい。

「あれ、能登さん?今日は元気がないですね、何かありました?」

「ちょっと色々ありまして…。」

「俺で良ければ話聞きますよ。」

「ありがとうございます…、重荷が取れる気がする…。」

「ふふ、よかったです、では、お昼どうです?」

「じゃあ、ご一緒させていただきます。」

なんだか少し心が軽くなった気がする。

赤葦さん効果かしら。


「あ、いたいた。」

「外食久しぶりです、昨日は家にいなかったけど、禄に食事も取ってないので…w」

「え、昨日夕飯食べてないんですか?」

「はい、ちょっと疲れちゃって。」

「で、その原因について相談を。」

「ええ。」

「だれもいないから、敬語じゃなくていいですよ。」

「そりゃどうも」

会社のちょうど向かいにある洋食屋に入った。

よく会社の人達が利用するレストランだ。

今日は同じ部署の方がいないので、高校生時代と同じ口調で大丈夫そうだ。

「まあ赤葦くんはずっと敬語キャラだけどね。」

「能登さんとは他校だったので気が引けまして…。」

「研磨には外してたけどね。同年代だし。」

「同性っていうのも一応ありますよ。」

「確かに。」

なかなか話しづらくて鉄朗のことは言えない…。

うん、待ってれば平気、赤葦くんはそういうとこ気が利くから。

「それで…、ご主人とは何があったんです?」

「あーっと…、少々鉄朗に浮気をされましてぇ…。」

「え?」

「え?って何さ。」

「能登さんのご主人って、黒尾さんだったんですか…?」

「知らなかったのか。」

「知りませんでした。しかし浮気というのは…、黒尾さんらしくないですね…。」

「それ私も思った。まあとにかく誕生日の日に家帰ったら知らない女がいましたよっていう話です。」

「なるほど…、誕生日の日に…。」

「で、昨日買って帰ったケーキとさんまは『ご自由にどうぞ』といわんばかりにキッチンに置いてきましたよ。」

「偉い…!」

「赤葦くんに褒められるとか嬉しすぎw」

「また頭撫でてもいいですけど」

「それを思い出させないでくれ、照れる。」

音駒のマネ業をしていた頃、何度か赤葦くんに頭を撫でられたことがある。

まあそれはそれは温かいったらありゃしなかったけど、心臓発作で死ぬんじゃないかと思った。

まさかそんなことがあろうものか、という感じだが。

「おっと…、もうこんな時間。また明日きませんか?」

「あ、じゃあお願いしようかな。」

二人でレジに並ぶ。

申し訳無さもあるけれど、赤葦くんは払うと言って引かない。

こうなった赤葦くんは止められまい。正直に従うべし。

高校生の頃からそういう人である。


また少し、心が軽くなった気がする。

赤葦くん効果かしら。

昨日夫と別れたとは思えないくらい、明日が来るのを楽しみにしている自分がいた。

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ちょっと、黒尾さん…でも、何ででしょう…本当にしてそうなんですけど…

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