テラーノベル
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ーMy only you~Endless love~ー
コンコンコンッ
「お・ん・りー♡」
「い、嫌だっ!俺はっ…!」
「ねぇ、いつになったら僕のものになってくれるん?僕はこんなに愛しとるのに…」
おんりーの秘密、もっと僕に見せてや♥
ある日を境に、君は変わってしまった。
その日は蝉がこれでもかと大きな声で鳴いていて、とても蒸し暑い日だった。
コンコンコンッ
玄関の扉を叩く音が聞こえて、持っていたスマホを机におき、玄関に向かった。
ドアスコープから外の様子を窺うと、おらふくんが満面の笑みで立っていた。
「おんりーおる~?」
首をかしげて俺が返事するのを待っているその姿は、どこか違和感があった。
普段なら俺が玄関に向かってくる足音がしたら、すぐに気づいて扉を開けるのに。
反射的に扉を開いてしまったが最後、俺はすぐに後悔することになった。
グサッ…
まるで動物の肉を削ぐ時のような音が脳内に響く。
おらふくんは相変わらず満面の笑みを浮かべているけれど、段々顔が歪んでいく。
気づいた時には、俺は床に倒れ込んで腹を抱えながら、口と腹から血を吹き出していた。
「ゴフッ…ゴホッゴホッ!!」
「あはっあははははっ!!」
「な…んで……?」
「あははっ!やっと、やっと僕だけのものになるんや!!愛しとぉよ、おんりー♥」
バタンッ…
「はっ…!!あれっここは…部屋…?」
視界はとてもキレイで、どこにも傷がついていない。
俺はあの時確かに、死んだ。
目の前にはマイクラが起動されたパソコンがあり、皆と撮影をしている最中だと分かった。
「おんりー大丈夫?何かあったん?」
おらふくんがパソコン越しに心配してくれる。
おらふくんもいつも通りだ。
「えっいや、大丈夫。ちょっとビックリしただけ」
気のせいだとしたらあまりにもリアル過ぎる。
取り敢えず今はやり過ごそう。
「じゃあ今日の撮影はここまで!皆お疲れ様~」
「お疲れ様です」
俺はマイクラを閉じて状況を整理した。
おそらく俺は、一度死んで少し前の時間に巻き戻ったんだと思う。
玄関をノックされたのは今から大体二時間後のこと。
もしも本当に時間が巻き戻ったのなら、今回もおらふくんが家に来るはず。
もう二度とあんな感覚は感じたくない。
傷口が燃えるように熱く、呼吸をする度に傷口と口から血が溢れ出る。
考えるだけで身体中が震えて身動きがとれなくなりそうだ。
俺は万が一おらふくんが家に入ってこようとしたときのために、家中の鍵を閉めた。
「取り敢えずこれで良いと思うけど…」
あまりの恐ろしさに家中を何度も確認していたら、いつの間にか一時間半も経っていた。
おらふくんが来るまで残り30分も無い。
今回は死なずに済むだろうか。
そして数十分後、予想通り俺の玄関をノックする音と共に、おらふくんの声がした。
コンコンコンッ
「おんりーおる~?」
俺は前回と同じくそっとドアスコープから外の様子を窺う。
前回と違うのは、俺がすぐにドアを開けようとしなかった事と、おらふくんの両手は背中で隠されていて、よく見ると包丁のような物の刃先が太陽の光を反射して光っていた。
やっぱりおらふくんは、俺を殺す気なんだ。
「ねぇおんりー、何で開けてくれへん?折角会いに来たのに…」
おらふくんはこんなこと言わない。
おらふくんはいつだって周りを気遣って自分の事を後回しにしてしまう。
僕が知らない間に、おらふくんに一体何が起きているのだろう。
ドンドンドンッ!!ガチャガチャガチャッ!!
ボーッと考えていると、おらふくんが扉を勢いよく叩きながら扉をこじ開けようとし始めた。
突然の行動に背筋が氷り、腰が抜けてしまった。
俺の名前を何度も呼びながら扉を開けようとするおらふくんの声はとても低くて冷たく、いつもの優しさは欠片も無かった。
おらふくんが来てからどのくらい時間が経ったのだろう。
思うように動かない体で床を這いながら、玄関から一番遠い寝室に逃げた。
扉を叩く音が家中に響き渡り、布団にくるまりながらいなくなるのを待つ。
しばらくすると音がやみ、俺は安心して布団から出ようとした。
スタ…スタ…スタ…
俺は再び背筋が氷り、一瞬でも安心した自分を殴りたくなった。
玄関の方から段々と足音が近づいて来る。
スタ…スタ………
足音がやみ、俺は嫌な予感がした。
カチャッ…キィ…
ゆっくりと部屋の扉が開く。
「おんりー、や~っと見つけた♥」
「っ!!」
グサッ…
コメント
2件
ヤンデレ…なのか? それとも別人がおらふくんに変装しておんりーチャンをやったんかな🤔?
暗い?やつも好きだわ🫶🫶