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続き
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翌朝。
王国は――大混乱だった。
「勇者様がいない!?」
「昨夜から戻ってきてないらしいぞ!」
「まさか……魔王に!?」
「勇者様、大丈夫かな……」
「誰か探しに行かないと!」
街の至るところで、勇者・叶の失踪が噂になっていた。
いつもなら魔王討伐のために旅をしている勇者が。
突然、跡形もなく消えた。
王国にとっては一大事だ。
兵士たちも朝から捜索に駆り出され、城では緊急会議まで開かれている。
「勇者様を必ず見つけ出せ!」
「魔王の仕業に違いない!」
国中が勇者の安否を心配していた。
――その頃。
◆ 魔王城・地下牢
叶
「ね〜葛葉」
葛葉
「…………」
叶
「暇なんだけど」
葛葉
「…………」
叶
「ねぇ」
葛葉
「なんだよ」
叶
「カードゲームとかない?」
葛葉
「…………は?」
叶
「トランプとか」
葛葉
「あるわけねぇだろ」
叶
「えー」
葛葉
「ここ魔王城だぞ」
叶
「だから?」
葛葉
「カードゲームする場所じゃねぇんだよ」
叶
「じゃあボードゲームは?」
葛葉
「ねぇよ」
叶
「暇だなぁ……」
葛葉
「人質が言うことか?」
叶は鉄格子に頬杖をつきながら、地下牢の天井を見上げる。
そして――
叶
「あ」
葛葉
「?」
叶
「てかさ」
叶が立ち上がる。
叶
「せっかく魔王城来たから、探索とかしたいんだけど!!」
葛葉
「…………」
葛葉は無言になる。
叶
「魔王城って結構広いんでしょ?」
葛葉
「まあ」
叶
「じゃあ見て回りたい」
葛葉
「無理」
叶
「なんで?」
葛葉
「お前、人質」
叶
「でも暇」
葛葉
「知らねぇよ」
叶
「ちょっとだけ!」
葛葉
「ダメ」
叶
「お願い」
葛葉
「ダメ」
叶
「葛葉〜」
葛葉
「ダメだって」
叶
「一階だけでも」
葛葉
「ダメ」
叶
「じゃあ地下だけ」
葛葉
「今いるだろ」
叶
「…………」
叶はしばらく葛葉を見つめる。
葛葉も睨み返す。
数秒。
叶
「…………」
葛葉
「…………」
叶
「つまんな」
葛葉
「お前なぁ!!」
叶
「だって暇なんだもん」
葛葉
「こっちはお前が逃げないようにしてんの!」
叶
「逃げないよ」
葛葉
「信用できるか!」
叶
「だって外出ても仕事あるじゃん」
葛葉
「…………」
叶
「ここ仕事ないし」
葛葉
「…………」
叶
「ご飯も出てくるし」
葛葉
「…………」
叶
「寝れるし」
葛葉
「…………」
叶
「天国だし」
葛葉
「だから魔王城だって!!」
地下牢に、再び葛葉の叫び声が響く。
その頃。
王国では――
「勇者様……!」
「どうか無事でいてください……!」
国民たちが本気で心配しているというのに。
当の勇者は魔王城の牢屋で、
叶
「暇だなぁ……」
と呑気に呟いていた。
꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈𓆪
とりま
コメント
1件
あぁ〜これめっちゃ面白かった!笑ったわw 王国が大パニックで「勇者様!」って必死に探してる中、当の勇者は魔王城の牢屋で「暇だし天国だし」って完全に寛いでるのなんだよw 葛葉がツッコミに回ってるのも好き。カードゲームないの?って交渉してる叶の図、早く続き見たいわ🔥