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やっと唇を離したアテナの口から、唾液が糸を引いている。
その顔は高揚しきっていた。
舌を絡ませながら絶えず股間を押し付けてきた俺のジーンズの太腿が濡れている。
「やだ……」
恥ずかしがって赤く染まる頬にふっと笑うと、彼女は恨めしそうな顔でこちらを睨んだ。
そして俺のシャツのボタンに手をかける。
一つ外しては首筋を吸い、
二つ外して鎖骨に唇を這わせる。
三つ外して俺の乳首を口に含み、
四つ外して腹筋を嘗め上げる。
「―――ズボン、下げて」
荒い息で言うと、
彼女は躊躇することなくボタンに手をかけチャックを下ろした。
パンツごと膝まで下ろすと、膨らみを手で包み、
「温かい……」
と言いながら硬くなったものを根元からさらに絞るように起こす。
「ん……ふ……」
その動きに少し大げさかと思われるほど声を出す。
彼女の悪戯っぽい視線がこちらを見つめる。
俺はねだるように左足の膝を彼女の身体に擦り付ける。
彼女は小さく頷いて、そして咥えた。
「は……」
今度は演技ではなく身体が脈打つ。
ガチャンと手首の手錠が音を立てる。
彼女が根元を押さえつけるようにして、先端に舌を這わせる。
そしてそのまま奥まで飲み込んでいく。
「……はぁ……!」
そのまま上下にストロークが始まる。
彼女は口に入れてはそれを見つめ、ビクビクと震える反応を楽しんではまた咥えこんだ。
左足のつま先に力を入れる。
そのまま気づかれないように足首を軽く回してみる。
ここ数日まともに歩いていない。
歩けるだろうか。走れるだろうか。
どっちにしろ、
敵を歩けなくするのが先だ……。
俺は自分の脚から視線を彼女に戻した。
「……?」
彼女は興奮のあまり白目を剥いているのかと思った。
なぜなら彼女のつぶらな目の中に、黒い瞳が見えなかったからだ。
しかし次の瞬間、
彼女の俯いた顔の角度に逆らうように上瞼に隠れていた瞳と目があった。
「……………!」
顔を伏せて陶酔しきっていると思っていた彼女は、
俺のソレを咥えたまま、瞳だけで俺を睨んでいた。
その眼光に俺は瞬きを繰り返した。
と、彼女は俺のモノから口を離すと、それを俺よりも大きな掌で包んだ。
―――握りつぶされる……?
「ヒクヒク反応しちゃって、かわいい……」
「――――」
一瞬言葉が出なかった。
…………なんだ。
「はあ………ぁあ!」
思わずついた安堵のため息を誤魔化すように喘ぎ声に変える。
バレてはいない。
疑われてもいない。
大丈夫だ。
女は―――もっぱら処女は、勃起という男の生理的な反応を、自分に気があると勘違いしている。
愛してるから勃つのだと、愛しているから抱くのだと、甘美で愚かな幻想を信じている。
つまりいきり立った俺のモノを掴んでいる彼女は今、俺を露ほどにも疑っていない。
――今なら、いける。
「……今日は一人でイキたくない」
言うと彼女は俺を跨いだまま座り、少し前かがみになって、キスとフェラだけで濡れそぼった自分の秘部に再び指を突き立てた。
今度はスルスルと入っていく。
出し入れすると、クチクチと粘着質な音が部屋に響き始めた。
「すごい濡れてる……」
俺は慎重に言葉を選び、間を設ける。
そろそろか?いや、もう少しか?
彼女の瞳を見上げる。
「………あ………」
腰が悩ましげに動き出した。
いつの間にか指は二本に増え、三本目も難なく飲み込んでいる。
もしかして―――。
ここ数日の間で彼女は一人でしたのかもしれない。
前より明らかに感度がいい気がする。
「―――もう……挿れていい?」
タイミングを見ていたら、彼女の方から問われた。
主導権を握られそうな一抹の不安を胸に、俺は微笑みながら頷いた。