コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ピエロのコンサート
ポニービルは、今日も平和な空気に包まれていた。市場には活気があり、リンゴや花、手作りのお菓子が並び、ポニーたちが楽しそうに買い物をしている。アップルリーノ、スクーナー、ナリーの三人は、今日も元気に「2代目キューティーマーク・クルセーダーズ」の活動に取り組んでいた。
彼女たちはポニービルの中央広場に集まり、キューティーマークを持たない若いポニーを手助けする新しいアイデアを話し合っていた。
「最近、どんな子を助けた?」アップルリーノが訊く。
「昨日、ペガサスの女の子を助けたよ。空を飛ぶ練習を手伝ったんだ。」スクーナーが答える。
「私は、歌が好きだけど恥ずかしがり屋のユニコーンに、舞台で歌う勇気をあげたよ。」ナリーが微笑む。
彼女たちは誇らしげだったが、何か物足りない気持ちも感じていた。
不思議な子供との出会い
その日の午後、三人は市場の近くで遊んでいたとき、不思議な光景を目にした。そこには、ピエロのような格好をした小さなアースポニーがいた。彼は体中に色とりどりのペイントをしていて、大きな赤い鼻とカラフルな帽子をかぶり、誰かを笑わせようと一生懸命パフォーマンスをしていた。
しかし、周りのポニーたちは微妙な反応をしていた。笑うというより、彼を奇妙な目で見ているだけだった。
「誰だろう?あの子、何をしているんだろう?」スクーナーが興味津々に尋ねた。
「分からないけど、なんだかちょっと寂しそうに見えるね。」ナリーが心配そうに言う。
三人はそのアースポニーに近づいて声をかけた。
「こんにちは!私たちはキューティーマーク・クルセーダーズだよ。あなたは?」
彼は振り返り、少し照れくさそうに答えた。
「僕の名前はフィズ。何でも面白いことをして、みんなを笑わせたいんだ。でも、なかなかうまくいかなくて……。」
彼の目には少し悲しみが宿っていた。
フィズの夢
フィズは自分の夢を語り始めた。彼はずっと笑いを届けることが好きで、ポニービルの住人たちを楽しませたいと願っていた。しかし、キューティーマークがまだ現れず、自分の才能に自信が持てなくなっていた。
「僕のことを変だって思う子もいるし、何をやってもキューティーマークが出ないから、自分に才能がないんじゃないかって思うんだ。」フィズは肩を落とした。
「そんなことないよ!キューティーマークがまだないからって、才能がないわけじゃない。」アップルリーノが励ます。
「うん、それに、私たちだってまだキューティーマークがないけど、一緒に活動することで少しずつ自分たちの得意なことが分かってきたんだよ。」ナリーが優しく言った。
三人はフィズを助けることを決めた。
ピエロとしての練習
最初に彼らが取り組んだのは、フィズが自信を持てるようにすることだった。アップルリーノは言った。
「フィズ、君がやりたいことは何?」
「みんなを笑わせたい。面白いことをして、笑顔にしたいんだ。」フィズの目が少し輝く。
「それなら、一緒に練習してみよう!」スクーナーが提案する。
その日から、四人はピエロの技術を磨くために練習を始めた。アップルリーノはフィズに果物を使ったジャグリングを教え、スクーナーはバランス芸のコツを伝えた。ナリーはフィズのためにユーモラスな歌を作り、一緒にパフォーマンスを考えた。
最初はぎこちなくても、フィズは少しずつ自信を取り戻していった。
ピエロのコンサート計画
「練習がうまくいったら、最後にみんなの前でコンサートを開こう!」アップルリーノが提案した。
「それはいいね!でも、どうやって人を集める?」スクーナーが首をかしげる。
ナリーが静かに手を挙げて言った。
「ポニービルの広場を借りて、手作りのポスターを作ればいいんじゃないかな。」
三人はポスター作りや告知に奔走した。フィズも緊張しながらも協力した。
コンサート当日
ついに迎えたコンサート当日。広場には多くのポニーが集まっていた。フィズは緊張で震えていたが、アップルリーノが励ます。
「大丈夫だよ!私たちがついてる!」
フィズは舞台に立ち、一生懸命パフォーマンスを始めた。彼はジャグリングやバランス芸、そしてナリーが作った歌に合わせて踊り、観客たちは次第に笑顔になり、拍手を送るようになった。
そのとき、フィズの体が輝き始めた。彼の側面には、カラフルな風船と星の模様が浮かび上がった。それは、彼が笑いを届ける才能を持つことを示すキューティーマークだった。
感動の結末
コンサートが終わり、フィズは目を輝かせて言った。
「僕のキューティーマークが……ありがとう、みんな!」
「これからも、もっと笑顔を届けていこうね!」スクーナーが微笑む。
「君の才能を信じてよかった!」アップルリーノが誇らしげに言う。
ナリーも優しく頷きながら言った。
「フィズ、あなたの夢はこれからもっと広がっていくよ。」
こうして、フィズは自信を持って新しい一歩を踏み出すことができた。2代目キューティーマーク・クルセーダーズの三人も、自分たちの活動にさらなるやりがいを感じたのだった。
ポニービルには今日も、笑い声と希望が満ちている。