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最近、他の人の作品読むだけで満足して書くこと忘れてました。すまそすまそ。(殴
「おにんぎょうやさん」 短編
狭い狭い路地裏を通って暗く、汚れた街を抜けると古い一件の人形屋がある。
そこに迷い込んだ人は一週間行方不明になり、戻って来る。
戻ってきた人たちは全員どこかしらに桃色の装飾が入った人形を抱えてくるそう。
そして戻ってきた人たちはその人形を一秒たりとも離すことはなく、目を盗んで離してしまうとその人達は精神が狂い、挙句の果てには死んでしまうという。
死んでいく人たちはみな同じことを言って死んでいった。
「許して、許して。」
「もうあんな目には会いたくない。」と、
それを聞いた偉い人たちは人を集め、人形屋へと向かわせた。
そして1週間後、戻ってきた人達に偉い人はどんな事があったのか聞いた。
だが、その問いに答えるものはいなかった。
いや、答えれるものはいなかった。
みな、「死にたくない、死にたくない。」と何度も何度も繰り返す。
また、数十人みなが桃色の装飾が入った人形をぎゅっと抱きしめている。
取られないように、ぎゅっと。
「あの人形屋をなくしてしまおう!」
偉い人がそういった。
周りの人々は賛成し、すぐに人形屋の取り壊し作業が始まった。
だが、取り壊し用の機械はみな人形屋にたどり着くことができない。
どれだけ回り道をしても、どれだけ強引に進んでも、たどり着いたと思えば次の瞬間には何もない景色が広がっている。
「人形屋は人間しか出入りを許さないのか?」
「でも人形屋に入ってしまえば一週間は閉じ込められてしまう。」
「ドアを強引に開けようと誰かがしたのだろう。跡が残っている。」
どうしたら・・・
その場にいたみなが不安と恐怖に飲み込まれる。
その時、誰かがひらめいたように手を上げて離し始めた。
この国で桃色の服、瞳、髪、なんでもいいから桃色がはいっているものを持っている人を行かせてみたらどうだと言う。
みなはこの意見に大賛成。
すぐに国に命令がくだされた。
『桃色が入ったものを持っている者はすぐに城へ来なさい。』と、
その命令により多くの人が城に集まった。
その中でもひときわ目立つ桃色の髪と瞳をした少年。
偉い人たちはこれならいける!と喜びの声を上げた。
桃「ここが人形屋・・・結構古いんだ・・・」
「さ、入ってみてくれ。」
人形屋敷についた衛兵は少年にそういった。
ガチャ、 バタンッ!
桃髪の少年が人形屋に入った途端勢いよくドアが閉じた。
衛兵は混乱した。
衛兵はなんども人形屋に入った人を見たことがあるからだ。
普通の人なら入ったあとは閉まらず、必ず衛兵の手で閉めていた。
なのに少年が入るとドアは開かれたままにならず勢いよく閉じられた
衛兵は怖くなり振り返ることもせず国へ戻った。
それから何年も経ったがあの少年が入ってから人形屋に入ってしまう人も、迷ってしまう人もピタリと止まった。
それどころか人形屋の様子を確認しにいった衛兵たちは皆人形屋はなかったという。
偉い人たちはみな混乱していただのちのち国の代表となるお伽噺になった。
それから数年後、お伽噺に出てくるような桃色の髪と瞳を持った男の子が生まれた。
その男の子は物語の少年と同じ年になると同じ言葉を呟くようになった。
「人形屋に行きたい。」
「俺の仲間に会いたい。」
「みんなの下へ帰りたい。」