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キャラ崩壊、学パロ、なんでも許せる方向け、晒し行為はお控えください。
いつもよりは短め 続きは制作中。
「心霊スポット、行かへん?」
放課後早々、カゲツにこんな事を言われた。
カゲツは、興奮気味に机を叩いて 呆れほうけて椅子から動けないオレを見下ろす。
「…急になんで?」
「ネットに心霊写真あげてバズんねん、 知らん? 今エスエヌエスは心霊ブームなんやで。」
そう言って、最近買って貰ったというスマホの画面を見せてきた。そこには、ネットの記事でこの村とも言える町にある、トンネルが取り上げられていたのだ。
「心霊トンネルって…酷いなぁ。うちの町の評判下がったらどうすんだろうね。幽霊なんている訳ないのにさ。」
「えぇ、分からんやん。」
「分かるよ。幽霊なんていない。トンネルも、ただのトンネルだよ。」
「えぇー……。」
がっくしと肩を下ろしたカゲツは、不満げな顔でスマホの画面を見つめる。
「確かめに行こうやー。」
「やだよー。」
「いこいこいこ…」
「やだやだ。」
「分かった! 話すわ。」
「…なに?」
下駄箱前、ずっと駄々を捏ねて行こう行こうとばかり言っていたカゲツが、急に真剣な顔付きで向き直ってきた。思わず、靴に伸びていた手が止まる。
「実は、僕。文化祭の出し物でオカルト展示会すんやけど、そこで気付いたら僕、心霊写真担当になってたんよね。」
「………どういう事?」
話を聴くに、3週間後にある文化祭の出し物を決めるクラス会議で、カゲツはバッチリ居眠りを決めたそうだ。そこで、カゲツの知らず内にあれよあれよと話は進み。カゲツのクラス、一年D組は 奇をてらったオカルト展示会に決定したらしい。
おじいちゃんおばあちゃん家にある、ちょっと怖そうな物を集めようと言う物で、けれど少しは本物が無ければ面白くないとの意見。そこで、一人だけ本物の心霊写真を撮る係になったのが、居眠りをしていたカゲツくんだったという訳だ。
「ほんま許せん。誰や僕にやらせよって言ったやつ。」
「自業自得では…。」
「思い出したらムカついて来た。」
ふんっと頬を膨らましたカゲツ。 完全にとばっちりを食らいそうな伊波は、早く下駄箱から靴を取りだして帰ってしまいたかった。が、目の前の男は運動だけならピカイチのステータス尖り男。当然、足の速さも天下一品なので、今伊波が全力疾走しても校門には追いつかれているだろう。とどのつまり、奴は逃がしてはくれないのである。
「…一人で行くのは怖いので付いて来てください伊波様って事?」
「一人で行くんは怖いんで付いて来てください伊波様。」
「…………ハァ、しょうがないなぁ…。」
「ヤッ タァー!!!」
そうはしゃぎながら飛び跳ねるカゲツを見て、伊波は溜息が止まらなかった。
「見て、じぃちゃんからお札貰ってきた。じぃちゃんジキヒツ。」
「それ…効果あるの?」
「知らん。」
一度家に帰り、荷物を置いた後、懐中電灯一本だけを持って、伊波は待ち合わせ場所である電灯の前に立った。早くも待ち合わせ場所にいたカゲツが、意気揚々と数十枚の紙切れを見せつけてきたのだ。
「てか、カゲツ。懐中電灯は?」
「伊波のあれば十分でしょ。」
だからと言って、持ってくるものが紙切れだけとはどうなんだ。
「サッと行って、帰るだけやし。」
「心霊写真撮れなかったらどうすんの。」
「んー…僕がおばけ役するとか。あと、そこらの野生動物とって、動物霊って言お。」
「そんなんで言いならネットから拾ってくるとかすればいいのに……」
「そんなつまらん事言うなや、ほら行こ。」
「…………トンネル行く意味、あるのかなぁ。」
夕日も沈みかけた頃、オレ達は森の中へと一歩、足を踏み出した。