テラーノベル
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最近、若井が犬と遊んでいるのを見ると、凄く心がモヤモヤする。
犬には構って、僕には全然構ってくれない。
もしかして”嫉妬”してるのかな…?
でも、犬に嫉妬とかどうかしてるよね。
「若井ー」
「んー?」
構ってくれない事は分かっているけど、僕は今日も若井に話しかけた。
「んっ!」
僕は腕を大きく広げ、胸の中に来てくれるのを待とうとしたけど、若井はちらっとこちらを見てすぐに状況を理解したのか、すぐに目線をギターに向けた。
「あー、ごめん、今は無理」
中々構ってくれない若井に怒りと悲しみと今まで溜め込んできた色んな感情が混じって、それが涙となって溢れて止まらなくなった。
そんな僕を見て若井の顔を見ると酷く動揺していた。
「もっ元貴…?どうしたッッ」
「もう若井なんか大っ嫌いッ泣!!」
僕は若井が何か言おうとした事を遮る様にそう言い放った。
涙を少し拭くと目を丸にして、驚いて固まった若井が居た。
僕はこの場の空気に耐えられなくなり、冬なのに上着も着ずにパジャマだけで外に飛び出してしまった。
「ッハァハァ…ハァ」
僕は真っ先に少し遠い大きな公園へ向かった。
そう、ここは僕と若井が初めて出会った場所だ。
しばらくして公園に着いて、僕は泣きながらベンチに座った。
今は深夜の3時なので、勿論、僕以外は誰も居ない。
数分経つと、涙は少し落ち着いてきた。
それと同時に眠気が僕を襲ってきた。
「……ッ?!」
ぼーっとしてきて眠りに落ちそうになったその瞬間、急に背中が暖かくなった。
恐る恐る振り返ると、走って来たのか、息を切らした若井が僕に上着をかけていたのだ。
「…んっ」
僕はまた逃げようとしたが、その瞬間、若井に手首を掴まれ、力強く、それでいて優しく僕に抱きついてきた。
若井は僕に抱きつくと、声を殺しながら泣き始めた。
「ゎ、かい…?」
「元貴のバカッ!!泣もう二度と会えなくなると思ったんだぞッ!!泣」
「で、でもっ!若井は僕の事嫌いなんでしょ、?」
「は、?泣誰がいつそんな事言った泣どうしようも無いくらいに俺は元貴の事が大好きだよッ泣!!」
僕を抱きしめる力が少し強くなる。
僕は若井の言っている意味が分からなかった。
「へ、?じゃあ何で構ってくれなかったのさっ!」
「元貴にギターの腕前を褒めて欲しくて…」
「えっ?そんな事で、?」
「元貴こそこんな事で出ていくなよ!」
お互い言っている事がめちゃくちゃで、僕たちは顔を合わせて笑ってしまった。
「帰ろっか笑」
「そうだな笑」
僕は手を繋ぎながら家に帰った。
(あぁ…幸せだな…)
こんな幸せがこの先、いつまでも、永遠に続きますように…
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