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クラシックな音楽が流れる小さな喫茶店。そこで私は1人紅茶を飲んでいた。

『ほんっと最悪……』


事の始まりは予報で晴れるとされていたのに突然雨が降り出した為だ。突然の事に苛立ちを覚えながらも脚に張り付いたスカートを絞ってため息をつく。


『せっかくおしゃれしてきたのに……』


今日は久しぶりに会う彼とデートの約束をしていたのだ。彼は普段アイドル活動で忙しく、あまり休みが取れないのだが、私も私で仕事の繁忙期がきてしまい、なかなか休みの被る日が少なかった。

そんな中、何とか1日だけでもと休みを捻り出して、お出かけをしようと計画を立てていたのに。これじゃ台無しじゃないか。

ため息をつきながらも雨宿りとして入った喫茶店で彼の到着を待つ。

私が待っている彼とは、ニューディメンション事務所の“Knights”所属の朔間凛月のこと。

約2年前、家に帰る途中の道路で倒れているのを助けたのがきっかけで1年程前に付き合った。

最初はピクリともしないため死体かと思って小さく悲鳴を上げてしまったが、その悲鳴が聞こえたのか、


「うるさ〜い……静かにしてよ……」


と声が聞こえた為、もしかして熱中症かもしれない!とその近くの公園の屋根付きベンチに引き摺って水を飲ませた。

その後、回復した様子でいきなり立ち上がり、連絡先を交換して「ありがと〜」と礼を言い、そのまま去っていってしまったのだ。その時はきっともう会うことはない……と思っていたのだけれど。その数週間後にショッピングモールで再会したのだ。

そこからあれよあれよと距離が縮まり、1年程前に付き合った。

最初はあまり興味が無かったことも原因の一つなのだろうけど、アイドルという事を知らずに時々会っていた。今考えれば帽子、サングラスにマスクをつけて出かけているのだから、芸能人かなんかだと普通の人は思うのだろう。いや何なら朔間凛月だと分かっていたと思う。決して私が馬鹿なだけではない。多分。


「お待たせ〜ごめん……ってびしょ濡れじゃん。寒いでしょ、今日のお出かけは中止。帰るよ〜」


しばらく待っていると彼がお店に入ってきた。


『えっ』

「なに?俺がびしょ濡れの彼女連れてお出かけすると思った?ひどぉーい」


いや思わないけど…楽しみにしてたのにな…と思っていたら


「お出かけはいつでも出来るでしょ。今日はお家でのんびり過ごそ、お姫様。……だめ?」


そう言いながら彼は私の肩に自分の着ていたコートを掛けた。ずるい、私が上目遣いに弱い事を知ってて言っている。

結局はその上目遣いに負け、家に帰る事となった。

喫茶店から出る時、お金を払おうとすれば既にお会計されていた。いつの間に…?


***


家へと帰り、シャワーを浴びてリビングで待っている彼の元へと急いだ。


「あれ?髪乾かしてきてないの?」

『あっ忘れてた……乾かしてくる』

「ドライヤー持ってきて。俺がやってあげる」


なんと、急ぎすぎて髪を乾かすのを忘れてしまったのだけれど、珍しく髪を乾かしてくれるという。神か?でもちゃんと出来るのだろうか……不安を持ちながらも洗面台へと急いだ


「気持ちいいですか?お姫様♪」

『ん、ありがとう』

「寝ちゃダメだからね?」


だって……髪乾かすのうま過ぎないか??知らなかった……

うま過ぎて寝てしまうところだったのを彼に制されてしまった。確かにまだ早く、寝たくないので頑張って起きている事にした。

乾かして貰った後、2人で映画を見る事にした。感動系かホラー系かで迷ったけれど、感動系の映画を見た。


『この主演の女優さん、綺麗……』


良いなぁ。凛月もこんな人の方が良いのかな。こんな平凡な私じゃなく。


「そう?別に、俺としてはどっちでも良いけど」


彼の顔を見上げた。その途端、彼と、目が合った。

私は気恥ずかしくて目線を逸らしてしまった。


「ふふっ♪ひどぉーい、俺の事、見てくれないんだ。浮気者ぉ〜」

『えっ、ちがっ!』


浮気者という言葉に否定をしようと彼の方を向いた。


「嘘だよ。俺のこと、大好きなの知ってるもん」


彼のとろけるような目が私を見つめている。


「俺はずっときみのこと、愛してるよ」


だんだんと近づいてきて、視界の全てが凛月で埋まったその時には、もう、映画のことなど、忘れてしまっていた。

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