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ーウパパロン目線ー
間に合わなかった。貴方の死体の前で身体が動かなくなったようにへたり込む。
ぐしゃぐしゃな貴方を抱いて、また俺も顔をぐしゃぐしゃにして。嗚咽を出して泣いていた。
「俺が数ヶ月の間もしっかり見ていれば」
━━━━━━━━━━━━━━1年前
「仲良くしてください!」そう言って彼女は俺達の輪に入ってきた。凄く緊張していたみたいで声が震えていて、俺はその時恋をしていたのかもしれない。
心の底からこの人の事が「可愛い」と思った。
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彼女が入村して約2ヶ月くらいかな?村長に呼び出された。なんだと思えば「Sレイマリって空気読めないよな」と悪口を目の前でズラッと並べられた。
「協力してくれますよね?」そんな村長の圧に負けて皆。そして俺もそのいじめに加担したと言って良いだろう。
数ヶ月もして行くうちに元気な声で「おはようございますっ!」と無視されても挨拶し続ける彼女の姿は、もう欠片すらも残って居なかった。
そんな彼女の事、俺は見ていられなかった。彼女とは1番めめ村で仲良くしていたと思って居たし、何より助けたい。そう思い夜中、他のメンバーにはバレないように会って喋るようになった。
俺に凄く懐いてくれていて、やっぱりいじめに加担した事は俺の責任でもあると同時に自覚するようになった。俺は助けた気にでもなって気分が上がっていたんだろう。
━━━━━━━━━━━━━━数ヶ月後
今日は彼女がいじめを受けて、1年。彼女は何を思ったのか。そんなのは俺には分からない。けれどもたった1つ事実があるとするならば、
「出掛けてきますね」
そう一言皆に言った事だ。皆戸惑っていたよ。1年ぶり?くらいに話した言葉が出掛け。何が起こるかなんて俺には想像が何となく着いた気がする。
俺の浮かんだその光景は、おぞましく、俺のトラウマになるには充分すぎる有様だった。
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心配した俺は彼女を部屋に呼び出した。
彼女は来てくれた。それだけでも良かったと思えた。けれど彼女は来るや否や
「お酒を飲んでもいいですか?」と尋ねてきた。そう言えば今日20歳の誕生日だったな。プレゼント用意しとけばよかったと思いながら俺は了承する。
でも彼女はその酒は口に合わなかったんだろう。すぐに吐き出す。見た目からしても甘ったる過ぎる。でも彼女は無理やりお酒を口にねじ込んだ。苦しそうな顔をしながら。
だから俺は言ったんだ。
「嫌なら飲まなくてもいいんだよ」って。理由はただ純粋に彼女がどうしてそこまで苦しそうな顔をしてでもお酒に執着しているかが気になったから。
でも彼女は「飲まないと私が私という人で居れなくなってしまうから」と笑いながら答えた。
なぜ?俺は思う。「貴方はどんな姿でも貴方じゃないか」そういうと貴方は目の奥に涙を溜めていた。そうして俺に全てを語ってくれる。
俺が話す前からの出来事も気持ちも全て。
ただ俺は何も言えず、うんと頷くばかりだった。俺が最初から見ておけば良かった。後悔したところで何が変わるの?なら俺は今俺が出来ることをするだけ。
俺は何も言わない俺に気を遣った彼女を無言で抱き締めた。彼女は驚いていたが、次第に溜め込んでいた涙がゆっくりと頬を蔦る。
でも彼女は俺の手を解いて、「ありがとうございます」と言って出ていってしまった。
玄関で彼女は「さようなら、ウパパロンさん」そう確かに言っていた。
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やはり俺の予感は的中している。彼女は今日、彼奴らに絶望を届ける為だけに20と言う若々しい命を自ら投げ打つつもりだ。
俺は服装も靴も何も気にしない。ただ走って彼女を追いかけた。追いついた時には既に彼女は踏切の上に立っていて、俺も其方に向かおうとした瞬間。
「ガシャンッ」
そう鈍い音が聴こえた。
嘘だろう。嘘だと言ってくれ。彼女の無事をただただ祈り、俺は吹き飛ばされた反対側の彼女の元へ急ぐ。彼女の足はとても歩けるとは思えないおぞましい物に変わり果てていた。顔にも大量の傷が出来ていて、血が止まらない。
彼女は
「Sレイマリはどんな姿でも、Sレイマリですよ」
そう、先程俺が言った言葉を言い、そこからピクリとも動かなくなってしまった。俺は「レイマリさん?ねぇ、嘘なんでしょ」そう現実逃避をしてレイマリさんの死体を抱える事しかできなかった。
その瞬間俺は嗚咽を吐きながら声を出して泣きじゃくる。レイマリさんの顔よりもずっと、俺の方が情けないぐしゃぐしゃな顔をしているだろう。
俺がもう少し早く話しかけていればレイマリさんの命はあったのも知れない。まず最初から村長の圧何かは関係なくいじめなんかくだらない事参加しなければ良かった。後悔したところでレイマリさんの命が戻ってくるわけじゃない。そんな
「ナイス赤ずきんみたいなことあってたまるか。それなら俺を殺さねぇと復活出来ないぞ」
俺はそう、返事もしないレイマリさんに語りかける。
俺はもう決めたんだよレイマリさん。レイマリさんの為だけに、10数人に立ち向かう。その時は話し合いに参加してくれよ笑
例え村長でも、村を追い出されても何も問題ない。いじめで人を殺す村。そんなのこっちから願い下げだ。
「レイマリさんの口に合うお酒、買って行くか」
そう俺は亡骸のレイマリさんをおぶり、酒屋により、缶のお酒を2本買う。
それを公園のベンチに2人並んで座り、飲む。でも飲むのは俺だけだ。レイマリさんは飲んでくれる訳ではない。でも俺はレイマリさんが飲んでいるかのように語り掛ける。
「乾杯!」
ー後日談ー
めめ村の家に。シェアハウスにレイマリさんの死体を抱え帰って来た俺を見ると、皆はびっくりしていた。「話がしたい」
そう言い俺とレイマリさんは数時間にも渡る話し合いを乗り切った。
結局の所めめんともりは謝ってくれず、他のメンバーも後味が悪そうだった。良いじゃないか。俺とレイマリさん。2人いるだけで充分。
「どんな姿でも変わらないレイマリさんに俺はずっと叶わない恋をし続けるんだ。」
そして どんな姿でも変わらない貴方が、俺はどうしようもなく愛おしい。
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ありがとうございました!!
ウパレイの病み創作のif世界です。
もしレイマリさんが命を落として居たとすれば、ウパさんは半狂乱でメンバーにぶちギレてそうだなって思いますね、
ここまで読んでくださりありがとうございました!!また他作品も読んでくれると嬉しいです!
👋🏻