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今日もいつも通りの出勤日だ。
「今日は特に急がないとな……」
花鈴は気持ちを慌てさせ、出勤準備をする。
会社に着くと、いつもは空いているはずの席が埋まっていた。
「ここの席、誰かいたっけ?」
「あ、今日から新入社員が来るらしいよ」
花鈴が瀬夏と話していると、笹木部長の声が聞こえた。
「本日付でこの部署に所属することになった、麻藤透也君だ。皆、よろしく頼む」
「はい」
麻藤君が席に着くと、周りが騒がしくなった。
「可愛い!本当に男なの?」
「麻藤君、赤ちゃんみたい」
褒め言葉だろうが、花鈴にはただの悪口にしか聞こえなかった。
「西辺ー」
「笹木部長、何でしょうか」
「麻藤の新人研修の担当者にお前を推薦した事と、あと社長が呼んでたから、今すぐ来いって」
「分かりました」
そして私は社長室に向かった。
社長室は相変わらず厳かで、静かだった。
私は服装を正して、社長室のドアノブに手をかけた。
「失礼します」
社長室に入ると、社長は足を組んで座っていた。
「そこに座りな」
社長に促され、花鈴は社長の向かいの席に座った。
「今月の業績の事だが、先月より著しく下がっている。これはどういう事だ」
「え……」
朝早々から大変です