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初めて出会った砂浜で私達はもう一度願いを掛ける
中学生の時、親の仕事の都合という うそ をついて東京から沖縄へ移住した。これから通う学校の教室のドアを開く。皆が注目する。___
自己紹介を終え、そのまま学校での生活を過ごした。東京とは違って窓から見える景色はビルなんてなかった。学校の帰り近くの砂浜へ寄っていった。夕方の、少し強い風が顔面にあたり、髪の毛の間を通っていく。なんとなく砂浜をあるいていると、私と同じように砂浜を歩いている少女と出会った。数秒間、目を合わせると、私は口を開いた。
「ねぇ」
二人とも同じタイミングで、声を届けた。ふと、笑いがこぼれ落ちた。初めて出会ったのにずっと昔から仲の良い友達のように会話をした。次の日、その次の日も私達は砂浜でたくさんお喋りした。案の定、私達は仲良くなった。休みの日は二人でお出掛けをしたり、テスト期間中一緒に勉強をしたり…
刻が流れるのは速く、私達は中学3年生。一緒の高校へ行くことを決めた。私達は必死に勉強をし、なんとか志望の高校に受かったのだ。入学式の4月7日、私達は砂浜に集まっていた。この日は水瓶座の流星群が見れるということで寝っ転がっていた。23時58分一つの青白い光が空を滑った。そのあとは沢山の光が私達を照らしたのだ。そして、私達は願いを掛ける。
『 』
私達は眠りについた
高校3年生、私は砂浜へ行けなかった
私は窓の外を見た。東京とは違う景色。4月7日私は砂浜にいた。横にはずっと仲の良い恋人。高校生の時、一緒に見たみずかめざのりゅうせいぐんをみにきた。いっぱいのひかりがおちてきて、あのひとおなじねがいをかける。
『いつか私達が認められますように』
私達は異性との恋ができない。手を繋ぐのもハグをするもの、キスだって女の子としたい。でも、世間ではどうやら異物とし見られるようだ。そんなある日東京から来た女の子に出会った。その子も同じだった。 私達は付き合った。でも幸せな時間というものは無慈悲にも短くどこからか、情報が漏れたらしく私達は当然のように否定された。そのせいで私の恋人は鬱になってしまったのだ、
二十歳になった私達は4月7日最後の流星群を観に行った。幾多の光が落ちてゆき初めて出会った砂浜でもう一度願いを掛ける。
光は落ちきった。手に持った小瓶の蓋を開け、二人で手にいっぱい薬を掴んだ。そうして、ラムネを食べるように頬張った。
二人で寝っ転がり鼻先がつきそうな程、体を寄せ合い最後のキスをした。そうして同じ言葉をつぶやく
『来世では、もっと生きやすくなるといいね』
静かに目蓋を落とした