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明日,言うね
ガタンゴトン…電車の揺れで私,佐村日葵は目を覚ました。やば,寝てた。
駅は…乗り過ごしてなかったみたい。ふっと隣を見ると青葉悠,私の好きな人が寝ていた。
さすがにこれにはびっくりして,口をパクパクさせてしまった。私の耳が熱くなってくるのも感じた。
「あ,ゆ,裕,乗り過ごすよ」ちょっと言葉が詰まっちゃった…。それでも悠は起きない。
えーい,こうなったら…。こちょこちょっ!「ふばぁっ!」お,起きたみたい。
「起きなさい,乗り過ごすぞ」そう言ったら,「あー,ありがと」と悠が言った。そしたら,
唐突に,裕が言った。「明日,俺の家来ない?」は?私は背の低い悠を見下ろしながら,「はい?」と言った。
「ほら,ゲームで交換しようよ」あーそゆこと。「いいけど?」そう言ったら,裕はちょっと耳が赤くなっていた。
あーほかの男子に聞かれたくないのだな,この顔は(笑)「何見てんの…」と私は言ったが,ちょっと照れてしまった。
なぜか悠は背が低い。なぜなのかは不明だけど。
<悠の家>
「お邪魔しまーす」と私が行ったら,裕が出てきて「母さんが『クッキー焼いてるから楽しみにしてて』だってさ」
お,楽しみ☆「さ,上がって」「うん」そして階段を上がって悠の部屋に行く。「交換しよー」と,気まずくなって催促してしまった。
私はいつも気まずくなると催促してしまう癖がある。やめたいのに,治らない。「ほーい」悠はそんなことは気にしないけど。
いつものようにゲームの話をしたり,交換したりしていたら,急に裕が「明日,学校の屋上に来てくれない?」と言ってきた。これは告白されるのかもしれない。そう一瞬胸がドキッとしたけど,裕はそんな思わせぶりなことを言って違う,ということがよくある。
その流れを知っている私はもう諦め始めている。でも,これに望みをかけてしまった。「私も,言いたいこと,あるんだ。」「そ,そう」
少々おどおどしながら裕が答える。「明日,言うね」
<クラスメイトトーク>
A「ねぇねぇ知ってる?」
B「何を?」
A「悠と日葵,付き合い始めたらしいよ。」
C「え,マジ?」
B「よかったじゃん,日葵!」
A「あと,実は…」
C・B『なになに?』
A「悠,同じクラスになる前から好きだったらしいよ~(笑)」
B・C『両想いか~』
A「ほんと,よかったよね!」