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4話 - テレビの向こう

大森は帰路について、女の子と話す。

こういうのはちょっとずつ距離を縮めるのが大切だと理解していた。


 omr:「で、咲貴って呼んでいい?」

 sk:「、、、うん」


咲貴は怖いのかわからないが、かたくなに大森と目を合わせようとしなかった。

たぶん、まだ自分の顔も見れていないと思い、悲しくなる大森。


 sk:「おじさ、、、じゃなくて」

 omr:「うん、おじさんじゃない」


若井と接するときのように少しきつめに言ってしまった、と気づく大森。

慌てて付け足す。


 omr:「ま、別におじさんでもいいけど?」

 sk:「も、、、もと、きはどこに、住んでるの?」

 omr:「えっとね、あそこのマンション。見える?あれ」

 sk:「どれ?、、、あの電気ついてるやつ?」

 omr:「そう、それそれ」


そういって、二人の仲に沈黙が訪れる。

大森は咲貴に気を遣わせないように、鼻歌を歌いながら歩く。


*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*. ~*


 omr:「ここ」


そう言って歩みを止めたら、背の高いマンションが立っていた。

咲貴は少し首を伸ばして、それを見上げる。


 sk:「……おおきい」


それだけ言って、また黙る。

大森はそれ以上何も聞かず、エントランスを通った。


部屋に入ると、電気をつける。

一瞬だけ、咲貴の肩がびくっと揺れた。


omr:「散らかってるけど、気にしないで」


床に置かれた譜面、ギターケース、ソファに無造作に投げられたクッション。

生活感しかない部屋だった。


sk:「……」


咲貴は黙ったまま、きょろきょろと部屋を見回している。


omr:「あ、寒くない?」

sk:「……だいじょうぶ」


大森は冷蔵庫を開け、ハーゲンダッツを一つ取り出す。


omr:「これ、好きだったら食べていいよ」


そっとテーブルに置く。

咲貴は少し迷ってから、小さく頷いた。


sk:「これ、好き、、、」


そう言って咲貴は、なぜか顔をしかめる。

大森はそれを不審に思いながらも自分から意見を言ってくれたことに感激した。


omr:「じゃあ、ごめんだけど出かけてくる。長いけど、ごめんね」

sk:「……え」


不安そうな声。


omr:「だいじょうぶ。あ、テレビつけてていいよ」


リモコンを渡すと、咲貴は両手で受け取った。


sk:「……テレビ、見たい」

omr:「うん、何見る?」


少し間があって、咲貴は小さく答えた。


sk:「……番組にね、ミセスがでてるの」


その一言に、大森の動きが一瞬だけ止まる。


omr:「ミセス、好きなの?」

sk:「、、、うん。好き」


その言い方だけで、本当だとわかった。


omr:「そっか」


それ以上、何も聞かなかった。

靴を履いて、ドアを開ける。


omr:「行ってくるね」

sk:「、、、いってらっしゃい」


ドアが閉まろうとしたとき。

咲貴が突然声を上げた。


sk:「あ、あの!」

omr:「?」

sk:「あ、あの、、、ありがとう」

omr:「、、、いいよ」


そう言って大森は家を後にした。


テレビの中から、聞き覚えのある歌声が流れ出した。

咲貴はソファに座り、画面を見つめる。


小さく、にこっと笑った。

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