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ちょん
475
わきあせ
1
#片想い
天楽°
97
期末テストも終わって、夏休みが近づく頃の朝。いつもは朝寝坊ばかりの俺だが今日は早起きできた。初夏の空気が漂い始めた。今日はセミが鳴き始め少し蒸し暑い雲一つないどこまでも真っ青な快晴の日だ。朝早いとはいえ田舎なので満員なのは変わらない。いつも通り人混みに突っ込んで立つ。ふと優先席を見ると俺と同じ学校の学ランを着ている到底つらそうには見えない少年が座っていた。眼の前にはぱっと見で90代のお爺さんが立っていたが少年は眠っていた。そこで俺は居ても経っても居られなくなり少年に声をかけた。「君、席を立ったほうがいいんじゃないのか」と俺が言うと少年は遠慮がちにつぶやいた。「僕、癌が骨転移してて立つ事があまりできなくて…」おじいさんと少年の申し訳なさそうな顔を見てこっちがもっと申し訳なくなった「あー、そっかほんとにごめん。」「いや大丈夫。」「よかったら名前教えてくれないか。」不思議そうな顔をする少年を見つめながら答える「いや、あの怪しいやつじゃなくて、えっとその、さっきのことが申し訳なくて。」「ええっと相澤渚、」
_お爺さんは気まずかったのか去ってしまったが人が減って空いてきた頃、話は盛り上がっていた。「渚いいやつじゃん…」「別にそんなことないよ」微笑みかけられて顔が少し熱くなったのを感じた。そしてお返しは何をすればいいのかきかされていない。「何でお返ししたらいいの渚〜」渚は俺の手を取って指を絡めた。そしてまた微笑んだ「なに……」真っ赤な顔で見つめる「俺と、心中しよっ?」渚の唇から八重歯が覗いた。今まで気付かなかった。それが恐ろしいほどに愛らしくて無邪気だった「無理だよ...」真っ暗でどこまでも深い瞳に睨まれた。このまま見つめ続けたら吸い込まれてしまいそうだった「じゃあいいや。」そこから諦めたように笑った渚を見て何故か胸がちくりと痛んだ。なぜだろう、いや、答えはわかりきっていた。俺は渚に惚れていたんだだから失望したような響きが悔しくて仕方なかった「俺、できる…」「渚のためなら心中でもなんでも…」背筋の冷や汗が止まらなかったが俺は本能に逆らった「ありがとう、俺のために…」
_心中当日。俺は渚を支えながら電車のホームに二人で立っていた。
「やっぱ無理…。」真っ青な顔で後ろに下がる「大丈夫だから一緒に逝こう?」優しく俺を引く寄せる手が今だけは悪魔に見えた。「むり、むりっ!」突き飛ばしてしまった「は、ゆるさない。」血走った目の渚に睨まれた。渚は立つこともできなくあと一分で始発が来る。ガタガタとこちらの状況を無視して呑気な電車の音がした。俺は罪悪感と渚に嫌われる恐怖で電車の来た瞬間に身を投げた。「渚、大好き」
コメント
3件
感想が止まらん…!!😭💦 最初は渚くんにちゃんと謝れる優しい海斗だなって思ってたのに、“心中しよ?”の台詞で一気に空気変わってゾクッとしたよ…!「俺と、心中しよっ?」って八重歯見せて微笑むとかずるすぎるでしょ…美しすぎて怖いよ😭✨ 最後の「渚、大好き」、命かけて伝えた愛やばすぎた…あの罪悪感と恐怖と愛情の混ざった飛び込み、心抉られた。これからどうなるの…!!続きめっちゃ気になる!!🌸