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#異世界転生
しめさば
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花月夜れん
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「わー……」
相変わらず、猫達が自由気ままにしている。ここはミュカとキーヒがいる屋敷だ。闇の精霊のところに行く前にミュカ達に挨拶しておかないと、数少ないこの世界の知り合いだし。
「あっ! あの時のお姉さん」
キーヒが気がついて、こちらに走ってきた。ミュカも少し遅れてこちらに向かってくる。
「こんにちは、猫達のお世話は順調?」
二人を見ると、引っかきキズや噛み跡が見られた。
「動物、飼ったことなくて、難しいんだ。すぐ怒らせちゃう」
「アイツらが自由すぎるんだぜ、まったく!」
猫は縄張り意識が強いから、新入りさんには厳しいのかな。なかなか大変そう。
この子たちのキズ、治せないかなぁ? そう、考えていると、
「「いいよ!」」
二人の声が聞こえる。
私は小声で、彼らの名前を呼んだ。
キズを癒して。
「ライト」
ぽぅと淡い光が、二人にふりそそいだ。すると、引っかきキズや噛み跡は姿を消した。
「ありがとう、だけどいいの?」
「魔法のことはヒミツだって言ってたぞ、あの猫にーちゃん。ねーちゃん怒られるぞ?」
あ゛、そうだった。
「怒られたくないからヒミツにしといてね!」
お願いと、ミュカとキーヒに言うと二人はわかったと承諾してくれた。
「それにしても、すごいね」
こそこそっと話すためかキーヒが近づいてきた。
「本当に聖女様の魔法だ。お姉さんが聖女様なの?」
「ううん、私は聖女じゃないよ」
「そうなの?」
私は頷いた。だって、本物の聖女はカナちゃんだから。
「聖女様はカナちゃんっていう人だよ。もし、会うことがあったら仲良くしてあげてね」
「わかった、けど僕達の中ではお姉さんが聖女様だよ! だって僕達のこと守ってくれたもん。ありがとうお姉さん」
キーヒがまっすぐこちらを向いて言う。
「あの時はすぐに言えなくてごめんなさい。キーヒを助けてくれてありがとう、ねーちゃん」
ミュカは恥ずかしそうに目をそらしながら感謝の言葉をくれた。
二人の言葉で、私は聖女じゃないけれど、彼らを助けることが出来て良かったって思えた。
ーーー
「それでね、今度私と猫耳のお兄さんはちょっと旅にでるんだ」
「まじかよ」「そうなんですか?」
「うん、いつ帰られるかわからないんだ。できるだけはやく、戻ってくるつもりだけど」
そう、伝えると、
「じゃあ、帰ってくるまでにここのボスに君臨してみせるぜ!」
ドーンと、ミュカが言う。
「気をつけて、猫達のお世話は任せて下さい。頑張ります」
キーヒの方が大人っぽい。二人のちぐはぐさに、ついクスリと笑うとミュカがまた拗ねてしまって困ってしまった。
コメント
1件
このエピソード、すごくほっこりしましたね。ミュカとキーヒが猫に苦戦してる姿が可愛くて、思わず笑顔になりました。主人公が「ライト」で傷を治す場面は優しさがにじみ出てて好きです。自分は聖女じゃないって言いながらも、しっかり二人を助けてるのがいいなあ。キーヒの「お姉さんが聖女様だよ」って言葉、胸に響きました。ミュカの拗ね方も含めて、二人のちぐはぐなやりとりが愛おしい回でした。次も楽しみにしてます。