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威風「なんなんアイツ…」
アイツ、とはないこの事で、偉そうに説教垂れてきたと思ったらニマニマして気味の悪い…
威風「ん、、??…チッ。//」
と、言いつつ、
服屋のショーウィンドウに反射して写った自分の顔が思いの外楽しそうで、ますます腹が立ったのであった。
威風「あ゛~もうっ゛!!!//」
柄にもない感情が少し小っ恥ずかしくて、誰に聞かせる訳でもなく大声を上げた。
それもこれもぜんっぶ!!
威風「ぃむとやらのせぇや…(小声)」
アイツと会ってから色々おかしい…!!
※完全な八つ当たりである。
裏卜「…」
騎恋「りうらぁ、いつまで拗ねてるの?」
そう問いかけるないこの声は優しく、とても甘かった。
きっとりうら本人に自分は甘やかされているという自覚は無いのだろう。
裏卜「べつにぃ、??l」
確かに、拗ねている、というよりは、落ち込んでいる、のほうが正しいだろう。
裏卜「…ただ、まろがあんなに怒るとは思わなかったの。」
確かに。温厚…というより、事なかれ主義の煮凝りの様な彼が怒りを露にするとは思わなかった。
裏卜「それが意外だけど、ちょっとホッとしてる自分が居て…怒らせちゃったのに、喜んでるのが不思議な感じなの。今度会ったら、碓氷くんにもちゃんと謝らないと…」
俺は黙ってりうらの頭を撫でた。
裏卜「っうわぁ!なにいきなり!?」
この子は…本当にッ(涙)!
りうらが良い子過ぎて泣けてくる。
裏卜「良い年した大人がなに泣いてんの…キッショ。」
騎恋「りうらぁ!?!?(泣)…でも、気持ちはわかるよ。」
彼、青凪威風と言う人間に染み付いた感情を隠す癖。
どうやったって変わらないその性質を、根本から正せる可能性が出てきたのだ。
騎恋「そりゃ、うれしいよね…っと、」
歩きながらここまで来たが、どうやらまた分かれ道のようだ。
俺りうらとはなれたくないんだけど…
騎恋「りうらはどっちの道が良い?」
裏卜「…」
ガサッ、
威風「ぁん、?」
さっきのショーウィンドウから階は上がって、もう少しで逃げ遅れ確認も済むところ、エスカレーター付近で何か物音がした。
逃げ遅れか、と態度を切り替え気持ち大きめの声で言った。
威風「、どなたかいらっしゃいますか?僕は、国家に指定された…便利屋です!助けに来ましたよ!」
自分でも人好きされる声色だったと思う。親切そうな、優しいお兄さんな印象を与えられた筈だ。
だけど、応答は無かった。
??「…」
聞こえない程度にため息を吐き、これは探すしかないかぁ、と足を動かした。
この国家至上主義の国において「国家」を信用しない辺り、察するにまだ幼い子供だろう。小さな身体が入り込める様な隙間を中心に探していく。
威風「大丈夫やで、お兄さん達が絶対助けてあげるからな。」
子供相手だと親しみやすい方が良いだろうと少しだけ口調を崩す。
効果があったのだろうか、数分探して、近くでガサッと言う物音が聞こえた。
俺のすぐ横には頑張れば成人男性二人(ミッチミチに)くらいなら入れる様なロッカーがあって、子供が隠れるにはうってつけだった。
威風「お、そこにおるん?笑。」
怖がらせないようゆっくり扉を開く。
威風「一人で怖かったなぁ、。もうだいじょうぶや、で、?」
そこには、予想通りの少年の姿、と、
子供「む゛っむぅ゛~ッッッッ!!!!ぅう゛う゛!!(泣)(泣)」
男「…」
‘‘白い衣服を身に纏い、少年を押さえ付ける爆弾を手にした男’’
導火線にはもう火が灯っていて、今にも爆発しそうだった。
威風「ッ、クソ゛ッ!゛!!」
咄嗟の判断で男をロッカーから引っ張りだし、逆に少年はロッカーに押し込んだ。
引っ張り出した余韻で床に打ち付けられた男も呻きながら起き上がる。
爆発まで残り九秒。
それまでにこの子供だけは絶対に守り抜かないといけない。
どうすれば、どうすれば少年を無傷で、??
子供「お゛に゛いさ゛ん!゛?!!おに゛ぃざ゛んッッッッ゛!!!」
背後から少年がロッカーを叩いている衝撃が伝わる。
暗所に一人だ、怖いだろうけど、申し訳ない気持ちを抑えてロッカーに鍵を閉めて、男の方へ駆ける。
爆弾まで残り八秒。
いくらロッカーに押し込めてもこの至近距離での爆発では子供も無事では済まない。
思考を巡らす内に、爆弾のカウントダウンタイマーのピ、ピッという音が多くなった気がする。
あ?と思って目線を男に向ければ…
威風「嘘だろ…?笑、。」
なんと男の能力は爆弾を産み出す物だった。何を思ったか爆弾男は自分の身体に着火済みのダイナマイトを巻き付けてロッカーへと向かう。
自分の命が惜しくないのか、!?
残り七秒。
どうする、どうする!?!?例え俺がコイツに勝てたとて爆弾が解除されるかはわからない。そもそも死ぬ気なのだから情報なんか死んでも吐くわけない。
なら、なら…!!
男「、!!」
ここは六階。俺は男を抱き締めて、そのまま転落防止のガラスをぶち破り、一階へと飛び降りた。
このまま一階へ打ち付けられれば、間違いなく俺もコイツも死ぬだろう。
ま、それ以前に爆弾でバーンやけど。
途中、意図を察した男はジタバタともがいたけれど、元より体格差がある。その程度で離しはしない。
あー、これまた初兎が悲しむなぁ……
残り六秒。
一瞬脳裏に浮かんだ顔を振り払う様に、大声で叫んだ。
威風「…お前も悪いなぁ!!心中相手がこんなむさっくるしい男で!!ま!ホントに死ぬんはお前だけなんやけどな!!」
そう、俺は死なない。
だから大丈夫。これは仕事だから、仕方のない事だから。
大丈夫…大丈夫、
残り五秒、四、三、二…
心を落ち着かせて目を瞑る直前、目映く紅い閃光が目の前を駆けた気がした。
「ー俺の居る舞台で、死人は許さないよ。」
冷静でいて強い意思の篭った声だった。
それは正に、気高き獣の生き様を表している。
裏卜「俺の部下はホントにカッコいいね!」
威風「りぅ、ら…!!離れろ裏゛卜ッ゛ッ!!!」
このままじゃお前も巻き込まれる、!!
裏卜「大丈夫。」
スゥー、りうらが深く息を吸う。そして、
裏卜「…『ファイアウルフ』。」
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更新ありがとうございます!本当にあやめさんの書く文章大好きです!次回も楽しみにしています!