爽やかな風が吹いて、貴女の姿が眩しく私の瞳に映った。
太陽みたいな笑顔で明るく照らしてくれる、そんな貴女が好き。
この気持ちは伝わりはしないけど…
二人で砂浜を走った帰り道。やっぱり夏の海は綺麗だったな。
夕方にもかかわらず空は明るくて、まだ帰りたくないって思っちゃったの。
波打ち際で歩いてさ、 見つけたシーグラス。
ドラマみたいな出来事だったからさ、二人で笑い合ったよね。
帰り道は必ず、その海岸で一緒に歩いたよね。
貴女はこの世界で一番綺麗で素敵な顔をしながら、波に足を浸して、沈みゆく太陽をじっと見つめてたね。
ずっと一緒にいようね、って言ってくれた。私はね、その言葉を待っていたんだよ。
でも、そんな時間が一瞬で崩れたね。
クラスメイトに私達は目障りだったみたい。
私は大丈夫だったよ。でも、貴女はそうじゃなかった。
心優しい貴女だから、簡単に崩れちゃった。
帰り道に立ち寄る海も全部、貴女だけがいなくなった。
だから私は毎日貴女の家に行って、優しく貴女を抱きしめた。
貴女は泣いていた。ごめんなさいってずっと。
何で貴女が謝らなきゃいけないの?
悪いのは貴女じゃないのに。どうして世界は優しい人を壊すの?
ある日の帰り、私は近所にある駄菓子屋に寄った。
駄菓子屋のおばあちゃんと少しだけ話をして、2つラムネを買った。
そしていつもと同じ貴女の家に行った。
良かった…貴女の姿を見てほっとして、そして二人でラムネを開けた。
夕焼けが見える頃にはもう瓶は空っぽで、ビー玉がコロコロなる音が響いた。
何気ないものだけど__と一緒だから美味しいな、そう貴女は言った。
なのに、どうして消えてしまったの。
貴女は何であの海に身を投げたの?
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