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211
#Mysta Rias
( '×' )
13
#闇ノシュウ
( '×' )
42
「ただいま」
買い物から帰ってきて、玄関の靴を揃える。3人で暮らすには狭いアパート。それでも僕はこの家が気に入っている。日当たりのいい部屋だし、何より大好きな人と暮らせているから。
目の前に広がるのはベビー用品に溢れかえり、少々…いや、大分散らかったリビング。
少しのため息のあと、シュウは微笑んだ。
「まあ、仕方ないか」
困っているのに、嬉しそうな、なんとも幸福感に満ちた表情だ。
一足踏み入れると、床で寝ている我が子とルカを見つけた。
2人ともなんとも幸せな表情で寝ている。シュウは迷わずポケットからスマホを取り出し、万遍の笑みで、写真を撮った。
なんとも言えない暖かくて、キラキラした気持ちに包まれた。
キッチンで買った物の整理をして、ベビーベットに赤ちゃんを運ぶ。起こさないように。慎重に、慎重に。
なんとか運び終えると、シュウはブランケットを持ってきた。
いくら日当たりがいいとは言え、風邪を引いては困る。だから、そっとルカにそれをかけた。ルカはとても無邪気な父親だ。子供と一緒に寝て、子供と一緒に遊ぶ。たまに子供と同じ顔でシュウに助けを求める。シュウはその瞬間がたまらなく好きだった。
彼の寝顔を眺めていると、腕を強く引き寄せられた。
「わ!ちょっと!ルカ?」
ルカはまだ夢の中のようでんんー?とふわふわな返事を返す。
シュウの腕をそっと撫で、トントンと叩く。そしてシュウは気づく。
(僕の腕を赤ちゃんと勘違いしてる?)
なんだか、すごく愛おしく思えて、ルカを起こす。いつも積極的に育児をしてくれるから、疲れていると思って、寝かせていたけど、なんだかとても話したくなった。いつも一緒にいるのに、いつも話しているのに、本当にルカは!
ルカは起きるなり、ぽけっとした顔でこちらを見る。
「あれ…?シュウ?帰ってたの?おかえり」
「ただいま、ルカ、赤ちゃんはベビーベットに移したよ?」
笑いを堪えながら、微笑むとルカは目を丸くして、自分の腕の中を見る。
「!?」
シュウの顔と自分の腕の中を交互に見て、3度目くらいでやっと理解したようだ。
「シュウ、ごめんよ」
笑いながらの謝罪には少し照れが混ざったように見えた。
「ううん、面白かったから、それより起こしちゃって、ごめんね。まだ寝てていいから」
そう言って、シュウは去ろうとしたが、ルカは手を話してくれなかった。
「ルカ?」
ルカは上目遣いでこちらを見上げる。
「シュウも一緒に寝よう?シュウも疲れてるでしょ?」
本人はきっと何も意識していない。いつまで経っても僕はこーゆーのに弱いんだろうと思う。
すこしの沈黙のあと、シュウは頷いた。
シュウが横になると、ルカはシュウに抱きついた。
「ちょっと、なにやってるの?」
笑いながら、尋ねるシュウを無視して、バックハグをする。
ルカはシュウの体温が上がっていくのを感じた。
シュウは耳を赤くして聞く。
「これで寝れるの?」
ルカは優しく抱きしめる。
「前はよくこうして寝てたじゃん」
シュウの首元に顔を埋めて答える。
「なんか、こういうの久しぶりで、ドキドキする」
ルカはシュウをより強く抱きしめた。
そして、ポツポツと話し始める。
「俺は、昔からいつ死ぬかわかんなかった。父親もマフィアで、物心ついた時には家業を継ぐことが決まってたから。だから、いつ死んでもいい覚悟はできてた。やりたいことは出来る時、いつ何が起こっても後悔しないように、いつ死んでもいいと思ってた。」
「ルカ…」
シュウは悲しそうな顔をする。
「でも…、今は、何をしてても死にたくないって思うよ!」
ルカはいつもの無邪気な笑顔でシュウにキスをする。
こんな日がずっと続けばいい。
コメント
1件
( '×' )さん、第1話読みました…! もう、冒頭からずっと優しい空気に包まれてて、すごく好きな世界観でした。 特にルカが赤ちゃんと一緒に床で寝てるところ、そしてシュウがそっとブランケットをかけるシーン、ああいう細かい愛情がたまらないです。 でも、ルカの「昔はいつ死んでもいいと思ってた」って言葉がすごく刺さって…。 今は「死にたくない」って言える人がいる日常、それだけで尊いなって思いました。 続き、すごく気になります。また読みに来ますね🕊️🤍