騒がしいこの恋はなんなんだ
ep,1 今年の夏は_
※BL
※受け視点
今年の夏は暑い。
そのせいか、蝉の音も一層騒がしい。
昼休み、きっと1日の中では一番暑い時間帯に当たるのだろうか。
「あははははw」
「なんだよそれ~w」
いつもなら気にならないクラスメイトの笑い声も、
五月蝿く感じてしまうほどだ。
きっとそうなんだろう。
「ふあぁ~」
隣席から高畑の大あくびが聞こえる。
さっきの授業で見たときは居眠りしていたし、今起きたのだろう。
「おはよ」
「ん、せっちゃんおは~」
てっきり無視してそのまま寝ると思っていたが
返事を返してくれた。
「そしておや~…」
…予想通り、もう一度寝るみたいだ。
学校にいる時間の9割は寝ているような輩だからな、大体予想はつく。
それにしても、寝るの早いなコイツ。
窓の方を見ていた視線を 高畑の方に向ける。
うわ、爆睡してる。
いびき1つかいていない、だから居眠りしていてもあまり怒られていないのか
いや、呆れられて放置されているだけかもしれないが…。
まぁ、それはどうでもいいか。
コイツの寝顔を見るのも飽きたので、視線を窓の方に戻す。
中庭に人がいないな、そろそろ始業のチャイムが鳴る頃なんだろう。
次の授業はなんだっけな…
「せっちゃぁ~ん!!」
土間で靴を履き替えていると、涙声の高畑がこちらまで駆け寄ってきた。
「なんで起こしてくれなかったの~!!」
「自分で起きろ、馬鹿野郎」
「ひどいぃ~」
コイツ曰く、俺が起こしてくれるもんだと思い、
爆睡していたそうだ。
いや、お前、普段から関係なく爆睡してるだろ。
「んむ~…」
「もういいだろ、ほら、帰るぞ」
不貞腐れ、 一向に靴を履き替えようとしない友人を促しながら、学生鞄を肩に掛ける。
「ちょ、待ってよせっちゃぁぁ~ん!!」
「もう十分待ったわバーカ」
現在の時刻は15時50分、
HR・掃除時間が終わってから20分、帰宅部の奴らはみんな帰った頃だ。
マジで、これ以上待ちたくない。
「ねーねー」
「ん?」
話題がなくなり、無言で歩いていた帰り道、
高畑がなにかを思いついたように話しかけてきた。
「せっちゃんって俺のことどう思ってる?」
「バカ。」
絶対求められている解とは違うだろうが、
一番最初に浮かんだのがこれだから間違ってはいない。
“一番最初”といっても彼の問いに間髪入れずに答えたようなクオリティだ。
寝る前に浮かんだ爆竹だろう。
「そーゆーのじゃないってばー!」
どうやら彼には”バカ”と言われたことよりも、
回答が、自分の想定していたような方向性ではなかったことが気になるらしい。
いや、バカと言われたことが気になるというのも、大きく言えばあっているが…。
「模範解答は」
アイツの求めている答えは大体わかっているが、
念のため模範解答を聞いてみる。
「親友とか、幼馴染とか?」
「なるほど、因みにお前は俺のことどう思ってんの?」
「んー、親友っ」
まぁ、そうだろうな。
ここまで追っかけてきて、
ただの友達とか言われちゃ、たまったもんじゃない
「へへ、せっちゃん大好き!!」
目の前を見て歩いていた俺の顔を覗き込みながら、
いきなりそんなことを言うコイツはズルい。
一瞬の事だったのに、男相手に頬を赤く染めてしまう自分を叱りながら、そんなことを思う。
多分俺が女だったら、ろくでもない男に引っかかっているだろうな。
「で、せっちゃんは俺のことどう思ってんのー?」
「…内緒。」
「うわー、それズルい!!次からなしね!?」
ズリーのはお前の方だろが、
心の中でそう呟きながら、失笑をする。
実際には言えねぇからな、言ったら少なくともあと3年はからかわれる。
まぁ、いつかこれも含めて、アイツへの不満でも言ってやろう。
「あ!五円玉!」
蝉の音に負けない音量で喋るコイツを眺めながら、そんなことを思うのだ。
ーーあとがきーー
はじめましての方ははじめまして、お知り合いの方はこんにちは。
どうも作者です。
語彙力皆無の作者が調べに調べまくり、出来る限り語彙力を上げようとした作品になります 笑
BL要素は少な目かな?とは思いますが…
これが作者スタイル!本題に入らねぇ!!(??)
ところどころ、受け君の心情(?)を表せるであろう表現を入れたりしてます!
あ、爆竹は作者も何故に入れたんだ…という感じなので気にしないでください 笑
少々あとがきが長くなってしまいましたね、
それではここらへんで…
よければいいね・コメント・フォロー・ブックマークの方して頂ければな~と思います!
それでは~!