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nkside.
kn「みんなおはよう。ちょっと、屋上来てくれる?」
nk「うん…?」
br「うん」
─────怖い……なんだか…嫌な予感がする……
なんだか…いつもと笑顔が違う……前に見た時よりずっと苦しそうで、全てを諦め切ったような…
─────いきなり消えちゃったり…しないよね……
✧• ───── ✾ ───── •✧
knside.
kn「みんな…本当に、今までありがとう」
br「え……?どうしたの…?そんないきなり……」
kn「俺ね、小さい頃から家で虐待…されてて。」
sha「……え?」
kn「うちの親は、暴言も吐けば暴力も振るう。
それで、俺は小さい頃『もう殴るのはやめて』って素直に言ったの。」
sm「…………」
kn「それでも、変わらなかった。…………だから、笑顔で取り繕った。」
kn「でもそれも─────もう限界。」
俺は初めて、みんなの前で笑顔の仮面を外した。
✧• ───── ✾ ───── •✧
nkside.
kn「でもそれも─────もう限界。」
…………っ……!
もはやきんときの顔に今までの笑顔はなく、
以前「つまらない」と言った時の、あの氷点下の空気のような雰囲気を纏っていた。
nk「…………限界…って……何……?」
kn「そのままの意味。分からないの…?俺はもう疲れた。生きる理由もないの」
kr「……分かるわけないだろ……今まで散々笑っておいて、いきなり生きる意味がないって何……?」
…………オレ…力になれてなかった……?
オレが気づいて……話を聞いてあげられれば……
いや……それでも何も変わってなかったよね……家庭の問題なんだもん。
でも……きんときの“逃げ道”にすらなってあげられなかった……
nk「……そ………………そうだよ……だから…………またオレたちと……」
kn「そんな綺麗事……どうせ口だけ」
sha「……お前…………!!」
kn「だから、ありがとう。バイバイ」
きんときが、フェンスに手をかける。
nk「待って!!!」
✧• ───── ✾ ───── •✧
knside.
kn「だから、ありがとう。バイバイ」
─────ああ……これでやっと……終わりだ……
5人に見守られながら人生の幕を下ろせるのなら……
nk「待って!!!」
kn「……え……?」
nk「きんときが苦しくても、オレたちがいるよ。」
br「うん。そうだよ。」
nk「家庭の問題だから、オレたちが完全に何かを変えてあげることは難しい。」
kn「………………」
nk「でも……きんときにとっての“逃げ道”になることは……きっとオレたちにだけできること。」
kn「…………っ……」
─────“逃げ道”…………
そうか……逃げてよかったんだ…………
sha「…………だから、頼れ。辛かったら逃げろ。」
…………まだ……早かったみたいだ。
まだ…………こいつらがいる。
……心残りだらけだ。
kn「…………待っててよ」
kn「……俺は逃げるよ。だから、“逃げ道”でずっとずっと待っててね」
nk「うん……!」
kr「……お前は、もう笑わなくていい。せめて、俺たちの前でだけでも、普通のお前で、思ったことを言っていい」
kn「あ…………うん。」
sm「お前、親からの虐待が酷いんだろ?」
kn「うん。今もね。この間は勉強道具とパソコンを捨てられた」
kr「は!?」
sm「そんな環境の家に、ずっといることなんてないだろ。逃げるんだろ?」
kn「……家出することは考えた。けど、行く当てなんて……」
nk「……オレの家、住んでいいよ!!」
kn「は?ちゃんと考えて発言してる?」
sha「……素のきんとき、辛辣だな……」
nk「オレのお母さん、『きんちゃんなら家に住まわせてあげてもいい』って言ってたから」
kn「……ホントに?」
nk「ホントホント!!」
br「さっすがNakamu!きんさんをよろしくね!」
nk「うん!もちろん!」
……そうだ。俺は逃げ続ければいい。
“逃げ道”があるんだから。
これからも、生きて、逃げ続けよう─────。