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ポタタ,と血の流れる音がする
ナオミさんが潤一郎さんを庇った
お姉ちゃんも僕を庇った
ナオミ「兄様……大丈…夫?」
ナオミさんは倒れた
お姉ちゃんは何も云わずに僕にもたれ掛かる
『お姉…ちゃ…………』
僕は静かに涙を流す
喉が震えて声が出せない
早く異能を使って治さないと…な,治さなきゃ…
潤一郎さんの悲痛な叫び声が聞こえる
谷崎「し,止血帯
敦くん,止血帯持ッて無い?
いや先ず傷口を洗ッて……違う与謝野先生に診せなきゃあ……
い,医務室まで運ばないと
敦くん足持ッて__」
樋口「そこまでです」
樋口さんは潤一郎さんの頭に銃を突き付けた
樋口「貴方が戦闘要員でないことは調査済みです
健気な妹君の後を追っていただきましょうか」
谷崎「あ?」
潤一郎さんの顔付きが変わった
谷崎「チンピラ如きが__ナオミを傷つけたね?
__細雪」
雪が降り始める
谷崎「敦くん,冬美ちゃん
遥華さんを連れて奥に避難するんだ
こいつは__ボクが殺す」
敦さんはお姉ちゃんを片手で抱き上げもう片方の手で放心状態の僕の手を取って奥に避難した
樋口さんは潤一郎さんに銃を放つ
しかし潤一郎さんは消えた
谷崎「ボクの細雪は__“雪の降る空間そのものをスクリーンに変える”」
樋口「なっ……何処だ!」
谷崎「ボクの姿の上に背後の風景を上書きした
もうお前にボクは見えない」
樋口「しかし……姿は見えずとも弾は中る筈っ!」
樋口さんは銃を乱射する
谷崎「大外れ」
樋口「__ッ!?」
スッと潤一郎さんは樋口さんの後ろに現れて首を絞めた
谷崎「死んで終え__!」
其の時…ゴホゴホと咳をする声が聞こえた
潤一郎さんが倒れた
『ヒュッ…』
喉から情け無い声が出る
その場にへたり込んだ
芥川「死を惧(おそ)れよ
殺しを惧れよ
死を望む者
等しく死に望まるるが故に__ゴホッ」
こんなタイミングで援軍…?!
しかも…芥川…
敦「な__」
芥川「お初にお目にかかる
僕(やつがれ)は芥川
そこな小娘と同じく卑しきポートマフィアの狗__」
樋口「芥川先輩ご自愛を__
此処は私ひとりでも」
そう云った樋口さんを芥川は打った
芥川「人虎は生け捕りとの命の筈
片端から撃ち殺してどうする
役立たずめ」
樋口「__済みません」
敦「人虎……?あんたたち一体」
芥川「元より僕(やつがれ)らの目的は貴様のみだ人虎
そこに転がるお仲間は__いわば貴様の巻き添え
其処の小娘も直ぐに巻き添えになる
ん?貴様は昨日の小娘か」
敦「僕のせいで皆が__?」
芥川「然り
それが貴様の業だ人虎
貴様は生きているだけで周囲の人間を損なうのだ
自分でも薄々気がついているのだろう?」
敦さんは何も応えない
芥川「__羅生門」
芥川の衣服が獣に変化する
首に苦しさが広がる
獣に首を絞められる
体が宙に浮かび足が揺れる
『カハッ…!』
芥川「僕(やつがれ)の羅生門は悪食凡るモノを喰らう
抵抗するなら次は脚だ
そしてこの小娘の命も失うことになるぞ」
敦「な,何故?どうして僕が__」
敦さんは自己嫌悪に陥る
谷崎「……くん……敦,くん……せめて…冬美ちゃんと…逃げ,ろ……」
ナオミ「う……」
遥華「ゲホッゴホッ…」
敦「(皆まだ息がある……)」
敦さんは決意をした様な顔をした
敦「うわあああああああ」
敦さんは叫び芥川に突っ込んだ
芥川「玉砕か__堪らぬ」
芥川は羅生門を放つ
敦さんは避けて落ちていた銃を拾った
芥川「ほう」
そして敦さんは銃を放つ
しかし芥川には傷一つ無い
敦「そ,そんな……何故…」