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「ゆご」×『ほく』
カチャリ、と鍵を開ける音が静かな廊下に響く。
『……ただいま』
深夜、ほくとは自分の声が微かに震えているのに気づき、唇を噛んだ。
リビングへと続くドアを開けると、暗闇の中でスマホの明かりだけが浮いている。
「遅かったね、ほくと」
感情の読めないこーちの声。
彼はゆっくりと立ち上がり、獲物を追い詰めるような足取りで距離を詰めてきた。
「じゅりの家、そんなに楽しかった?」
鼻元が触れそうな距離で、こーちが深く息を吸い込む。
その瞬間、彼の瞳に冷たい熱が宿るのを、ほくとは見逃さなかった。
ほくとの体から漂う、自分のものではない香水の残り香。
「ねぇほくと。……じゅりの匂いが染み付いてる。最悪だよ」
『っ、それは……』
言い訳を封じるように、こーちはほくとの手首を掴むと、そのままリビングのソファへと放り投げた。
「裏切ったのはほくとなんだから、どうされても文句言えないよね?」
馬乗りになったこーちの手が、ほくとのシャツを乱暴に剥ぎ取る。じゅりの匂いが移った布地を床へ投げ捨てると、
「汚いよ。早く俺の匂いにして」と冷たく言い放った。
ほくとは、あまりの豹変ぶりに喉を震わせるだけで、恐怖で声が出なくなってしまう。
「何とか言えよ。じゅりの方が良かったって、そう言えばいいだろ」
こーちの指が、ほくとの喉元をゆっくりと、愛おしそうに、けれど強く圧迫する。
鎖骨や首筋、鏡を見るたびに思い出す場所に、あえて消えないような深い痕を刻んでいく。
「痛い?じゅりに触られてる時は気持ちよかったんでしょ。……あいつはこんな風に、お前のこと壊しそうなくらい強く抱いてくれた?」
その時、ほくとの目尻から溢れた涙が枕を濡らした。
それを見た瞬間、獲物をいたぶるようなこーちの冷徹な表情が、一瞬だけ、子供のように脆く崩れた。
歪んだ眉、震える唇。
そこにあったのは、支配の悦びではなく、信じていた世界を壊された男の、行き場のない[悲しみ]だった。
しかし、こーちはすぐに顔を伏せ、その表情を隠すようにほくとの首筋に深く顔を埋めた。
熱い吐息が、ほくとの震える肌に直接吹きかけられる。
「……なぁ、ほくと。俺以外のこと考えんな。……一瞬だって、他の奴の名前を頭に浮かべんなよ」
呪文のように、あるいは懇願するように、その言葉がほくとの鼓膜を震わせる。
「……嫌だって言わせない。一生、俺の痕を消させないから」
嵐のような時間が過ぎ、部屋には重く湿った沈黙が降りていた。
ほくとは力尽きたように横たわり、全身を真っ赤なマーキングで染め上げられている。
こーちは背後からほくとを抱き寄せ、指が白くなるほどの力で引き寄せた。
「……寝るの?」
掠れた声で囁きながら、項に深く鼻先を埋める。
そこにはもう、じゅりの残り香など微塵もなかった。
「俺、まだ許したわけじゃないから。……逃げられるなんて思うなよ」
言葉とは裏腹に、ほくとを抱きしめる腕が微かに震えている。
「……おやすみ、俺のほくと」
決して腕を緩めることなく、逃げ場を完全に塞いだまま、こーちは深い眠りへと落ちていった。
ほくとは逃れられない絶望と、その重苦しいほどの愛の温度を全身で受け止めながら、ただ静かに目を閉じた。
ど〜も〜𝓡𝓲𝓷で〜す!!
1つ目の作品投稿ですね!👍🏻
1つ目から長いのもどうかと思いますけどね笑
まぁ、何も話すことないので、終わります!
以上、𝓡𝓲𝓷でした〜!!
ばいば〜い👋🏻
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