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夢なら覚めないで

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夢なら覚めないで

4 - いっしょにおちようね

♥

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2024年09月28日

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いつから寝ているのだろう

あの時、ナチの付けた痕が、感覚が、体に染みついて離れることは無い

空腹も何も感じない

感じるのは、外的要因で付けられた痛みと、陶器のように固く冷たい何かに私が入れられていることのみ

なにか、体に液体が触れたような感覚がした

体温が奪われていく

でも、起きようとする気力がない

このまま二度目の死を迎えようか

そう思うのも束の間

私の大嫌いな、米帝の声が耳に入ってきた

「…!…………!……!?」

焦っているようだ

だが、私はもうじき意識が無くなる

保っているのも怠くなってきた

なんだか右手が暖かくなった

誰かに手を握られてる

きっと米帝だ。手付きで分かる

私を殺そうとしたくせに、身勝手な奴だ

試しに瞼を開けてみた

目の前には米帝に似た何かが

私の周りを、液体で埋め尽くしていた

本人と同じ声で、同じ調子で

「日帝!よかった…もう起きないと思ってたぞ…」

不気味だった

まるで自分が本人だと訴えるように

ごく普通に話しかけてきた

「…お前、誰だ」

「?俺は俺だぞ?」

「じゃあ、なんで…」

「なんでそんな姿なんだよ」

「…」

「…ははっ」

「やっぱ僕は化けるの苦手なんだなぁ」

!?

「まぁ、いっか。僕は」

馴染みのある声、こいつは

「君と一緒に堕ちることができればいいもん」

海軍の…亡霊!?

理解が追いつくわけのない状況に戸惑う

体中に、なにかぬめりとした物が巻き付いた

脚、腕、胴体、首

ついには口を塞がれた

なんで海軍が化け物に?

なんでここに居る?

ここはどこだ?

頭の中は疑問ばかりだ

私はナチとイタリアと一緒に、平和に暮らしていただけだったのに

イタリアと喋って、ナチの作ったご飯を食べて、柔らかい寝床で寝ることができればよかっただけなのに

「ねぇ、陸」

「いっしょにおちようね」

その言葉が発せられた瞬間、深い深い水の底に、海軍と堕ちていった


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