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キャラクターってあるじゃん。
真面目、とか、おバカ、とか、そういうの。
そういうのってさ、どっかに、愛、みたいなのがあると思うんだ。
愛されてるから、興味を持ってもらえてるから、そんなキャラクターがある。
自分が必要とされている証みたいなもの。
でも、俺にはそんな愛がなかったから。
俺は、誰からも必要とされてないから。
俺がいなければ、すべてうまくいくんだから。
俺は、やられキャラだから。
だから、死ぬんだ。
誰にでも平等に綺麗に見える朝焼けの空。
あの子と毎日会ってた学校の屋上に不法侵入して、人のいないグラウンドをぼぉっと見つめる。
今落ちれば、学校、休みになるでしょ?
これで、最初で最後、皆の役に立てる。
でも、どうせ俺なんだから、気付かれやしないな。
寝ぐせのままの髪がなびいて、やっと双眸があらわになる。
両親との妥協点だったボブカットの髪は伸びて今ではセミロングになり、横で無造作に止められている。
左耳だけに無断で開けたピアスが反射してきらりと光る。
さあ、これで俺も楽になれ―――――――
「だめだよ~!そんなことしちゃ!」
気付かれたのかと思い振り返る。
そこにいたのは、
可愛い女子という言葉を具現化したような、
「落ちてもいいことないから!ほら、こっちおいでっ!」
幽霊だった。
「は?」
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