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【ご注意】
本作は二次創作作品であり、原作および公式とは関係ありません。
作中には、拘束や接触を伴うやや刺激的な描写、およびキャラクター同士の親密なやり取りが含まれます。
モブ×中原中也
太宰治×中原中也の要素があります。
作品の性質上、閲覧にはご注意ください。
不慣れな点もあるかと思いますが、問題のない方のみお楽しみいただけますと幸いです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
港の倉庫は、夜になると音を飲み込む。その静寂を破ったのは、荒い呼吸と、くぐもった笑い声だった。
「……っ、は、やめろっつってんだろ……!」
椅子に縛り付けられた中原中也は、歯を食いしばりながら睨みつける。
だが、その威圧は今この場ではほとんど意味をなしていなかった。
「はは、強気だなぁ幹部様」
「でもさっきから震えてんじゃん」
男が指を中也の脇腹に滑らせる。
「――ッ、ぁ、っ、やめ……!」
びく、と体が跳ねた。
中也の能力は封じられている。
拘束具は異能対策済み。
つまり今の彼は、ただのくすぐりに弱い人間だった。
「く、そ……っ、こんなやり方……!」
「情報吐いてくれりゃやめるって言ってんだろ?」
指が、腹から脇へ、そして肋骨の隙間をなぞる。
「……っ、は、ははっ……やめろ、!」
笑いをこらえようとして、余計に呼吸が乱れる。
その様子に、男たちは楽しそうに顔を見合わせた。
「いいねぇ、その余裕崩れる感じ」
「幹部様でもこうなるんだな」
「……っ、殺す……後で絶対殺す……!」
威嚇の言葉も、笑いに混ざってしまう。
その瞬間。
倉庫の扉が、静かに開いた。
――軋みもしない、不自然なほど滑らかな音。
「……へぇ」
場違いなほど軽い声が落ちる。
「随分と楽しそうじゃないか」
誰もが振り返る。
そこに立っていたのは、黒いコートを翻す男。
太宰治だった。
「太宰、さん……!?」
「な、なんでここに……」
「なんで、って」
彼はゆっくり歩み寄りながら、目だけで中也を見た。
「私の犬を勝手に連れ出して、勝手に遊んでるからさ」
「誰が犬だ、クソ太宰……!」
中也が怒鳴る。
だがその声には、ほんのわずかに安堵が混ざっていた。
太宰はそれを見逃さない。
「その余裕、まだ残ってるのか。感心だね」
そう言いながら、男たちの前に立つ。
「で?尋問のつもり?」
「そう、だが…お前には関係――」
言い終わる前に、男は床に倒れていた。
いつ動いたのか分からない。
太宰は、残りの連中を一瞥する。
「雑魚が寄ってたかって、しかもくすぐり?センスが悪いなぁ」
数秒後、倉庫には静寂が戻る。
倒れた男たちと、拘束されたままの中也、そして太宰だけが残った。
「……おせぇんだよ」
中也が吐き捨てる。
「もう少し遅かったら、情報吐いてたかもよ?」
「吐くわけねぇだろ」
「でも結構楽しそうだったよ」
「殺すぞ」
即答だった。
太宰はくすりと笑い、中也の前にしゃがむ。
「で?どこが弱いの?」
「は?」
「さっきから見てたけど、ここ?」
指が、そっと脇腹に触れる。
「――っ、触んな!!」
中也が跳ねる。
その反応に、太宰の目が細くなる。
「ああ、やっぱり」
「やめろって言ってんだろ……!」
「別に。助けに来ただけだし」
そう言いながらも、指は離れない。
むしろ――
「っ、ま、て……太宰……」
軽く、なぞる。
「……っ、は、ぁ……やめ、ろ……!」
びく、とまた体が震えた。
太宰はその反応を見て、少しだけ黙る。
それから、ぽつりと。
「……他の奴に触られて、そんな声出してたの?」
「っ……!」
中也が言葉に詰まる。
「別に、不可抗力だろ……!」
「ふーん」
無表情でそう言いながら、太宰は指を少しだけ強く押し当てた。
「――っ、ははっ……!」
「不可抗力、ねぇ」
今度は脇へ。
「っ、や、やめ……は、ははっ……!」
拘束されたまま、逃げ場はない。
「ほら、ちゃんと反応してるじゃないか」
「て、め……っ、助けに来たんじゃねぇのかよ……!」
「助けたよ?」
即答。
「その後のことは、私の自由だろ」
「はぁ!?」
太宰の手が、今度は両側から中也の脇をくすぐる。
「っ、は、はははっ……!やめ、ろっ、ばか……!」
「さっきよりいい声」
「うるせぇっ……!」
中也は必死に体を捻るが、拘束具がそれを許さない。
呼吸がどんどん乱れる。
「……ねぇ中也」
太宰の声が少し低くなる。
「他の奴に、どこまで触られた?」
「……っ、知ら、ねぇよ……!」
「ちゃんと答えて」
指が止まる。
一瞬の静寂。
そして。
「――ここ?」
再び、さっきより的確に触れる。
「っ、はははっ……!や、だ、やめろって……!」
「ここも?」
「っ、は、っ……あははっ……!」
笑いが止まらない。
中也の目に、うっすら涙が滲む。
「……そんな顔、他の奴にも見せた?」
「……っ、見せて、ねぇ……!」
「本当?」
「ほんと、だ……っ、だから、やめ……っ、」
声が途切れる。
笑いすぎて、呼吸がうまくできない。
太宰はそこで、ぴたりと手を止めた。
「……」
「は……っ、はぁ……っ……」
中也は荒く息をつく。
太宰は少しだけ視線を逸らし、それから小さく息を吐いた。
「……気に入らないな」
「は……?」
「私以外に、そんな顔見せるの」
一瞬、空気が変わる。
「……っ、はぁ!?何言って――」
言い終わる前に。
再び、くすぐり。
「っ、ははははっ!?おま、待て……!」
「だから」
今度は容赦がない。
「私の前でだけにしてよ」
「意味わかんねぇよ……!ははっ……やめろ……!」
中也は必死に抵抗するが、力が入らない。
笑いと呼吸でぐちゃぐちゃだ。
「ほら、もっと」
「無理……っ、しぬ……!」
「死なないよ」
淡々とした声。
でも手は止まらない。
「私が加減してるからね」
「っ、してねぇだろ……!!」
涙がこぼれる。
それを見て、太宰はようやく手を離した。
「……」
静寂。
「……はぁ、はぁ……っ……」
中也はぐったりと項垂れる。
太宰はその様子をしばらく見ていたが、やがて拘束具を外した。
「帰るよ」
「……」
中也はすぐには動かない。
「……太宰」
「なに」
「助け方、間違ってんだよ」
「は?」
「普通は先に外すだろうが!」
苛立った声が、まだ少し掠れている。
太宰は一瞬だけきょとんとして、それからふっと笑った。
「でも君、あの顔してたよ?」
「……っ、殺すぞ」
間髪入れずに返す。
太宰は楽しそうに肩を揺らして、中也は大きく舌打ちした。
「次やったら本気で殴るからな」
「次がある前提なんだ」
「ねぇよ」
即答。 それでも、歩く速度は自然と揃っていく。
夜風が、ふたりの間をすり抜ける。
少しだけ近い距離のまま、どちらも離れようとはしなかった。
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