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夜の街を制服の少女ふらふらと歩く。
黒髪は肩までの長さ、右目には義眼、左足には義足
慣れない義足でぎこちなく地面を蹴る。
誰も気づかない。誰も本当の顔を知らない。
「はぁ、今日も退屈だなあ…」
独り言を呟きながらポケットからタバコを取り出す、
ライターで火をつけ一口、煙が夜風に溶けていく。
酒を少し忍ばしてある。高校生の仮面をかぶりながらも小物で自分だけの時間を作るのが大好きだった。
しかし街の片隅で微かに人の気配と、悪魔の気配がする。
無表情で立ち止まり義眼を光らせる。右目 が赤く光ると、刺青が腕に浮かび上がった。
契約している悪魔。「刺青の悪魔」が目覚める瞬間だ。
「…あ、今日の仕事か、」
刺青が皮膚から飛び出すように具合化し蜘蛛のような腕が伸びた。
敵、デビルハンター達に向かって素早く飛び、狙いを定める。
使いすぎると血を吐くリスクがあるが冷静にその感覚を管理する、耳鳴りが微かに鳴る。慣れたものだ。
次の瞬間、「歌舞伎の悪魔」の能力を発動する。
顔に浮かぶ独特の模様、手足の奇怪な装飾、まるで舞うように動き接近戦に強烈な一撃を加える。 敵は悲鳴を上げ倒れていく。
戦いが終わればまた普通の女子高生に戻る。ポケットから小さい酒瓶を取りたし喉を潤す。タバコをふかしながら髪を整える。
「私、頑張った、よし後でサムライソードに褒めてもらおう。」
家に帰る途中、鏡に映る自分を見る。
「…高校生って言っとけばみんな騙される。」