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昨日、失恋した

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昨日、失恋した

3 - あかりちゃんの失恋

♥

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2024年12月23日

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「……私は……」

山下さんが言いかけて、やめた。

視線を落として、迷ってる。

少しの間沈黙があったけど、でも心が決まったのか、また、口を開いた。

「私は__失恋したの」

「失恋 」

この美しい山下さんが。こんな人を振る人もいるんだなあと私は変なところで感心した。

「私……。小笠原先輩と付き合ってたの」

びっくりな名前が出てきた。私は驚いて、きき返した。

「小笠原先輩って……あの、小笠原先輩!?バスケ部の」

「そう」

小笠原先輩のことは私も知ってる。

ていうかこの学校の有名人だ。

イケメンで背が高くてスポーツ万能で成績優秀で明るくて人望があって。非の打ちどころがないような人。アイドル的存在で、多くの女の子が心をときめかせる、その小笠原先輩と、山下さんが__付き合ってた!?

どすんと、衝撃が私の胸にやってきた。

付き合ってたのか……そうか二人はラブラブだったのか……。

……実を言うと私も小笠原先輩がちょっと好……いや、好きってのとは違うかもだけど!

好きっていうか憧れだけど!そうただの憧れ!

ひょっとして、私も失恋したんじゃない?って気持ちが押し寄せてきたのだ。

でも、でも違うから!

これはただの憧れで恋じゃないから!

だから失恋じゃない!

ノーカン!!

やたらビックリマークで溢れる心情を押し殺して、私は可能な限り平静を装った。

山下さんは、もちろん、こっちよ気持ちには気づいてないみたいだった。

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