テラーノベル
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りゅうきの言葉に。たくとは何も言えなかった。
十年。
好きだった。
諦めたつもりだった。
忘れたつもりだった。
それなのに。
今。
目の前にいる。
「先輩。」
「……うん。」
「聞いてもいいですか。」
「何。」
りゅうきは少し笑った。
「いつから好きだったんですか。」
たくとは観念したようにため息をつく。
「高校の時。」
「知ってます。」
「え?」
「途中からなんとなく笑」
「じゃあなんで何も言わなかったんだよ笑」
りゅうきは少しだけ目を伏せた。
「恋人いたし、」
当然の答えだった。
でも。
「あと。」
「?」
「先輩のこと失いたくなかった。」
その言葉に。
たくとの胸が苦しくなる。
「友達でも?」
「友達でも。」
りゅうきは頷いた。
「だから気付かないふりしてました。」
静かな告白だった。
たくとは思わず笑う。
「お互い不器用だな。」
「ですね。」
二人で笑う。
昔ならできなかった。
こんな風に。
本音を話すことなんて。
しばらくして。
りゅうきがぽつりと言った。
「俺。」
「うん。」
「再会してから。」
少し言葉を探す。
「先輩と会うの楽しみだったんです。」
たくとは黙る。
「連絡来たら嬉しかったし。」
「……。」
「会えない週はちょっと寂しかった。」
「……。」
「だから。」
りゅうきは照れたように笑った。
「たぶん。」
「うん。」
「好きになってたんだと思います。」
その瞬間。
十年以上抱えていた想いが。
ようやく報われた気がした。
たくとは思わず顔を覆う。
「先輩?」
「無理、//」
「何が。」
「嬉しすぎる//」
りゅうきが吹き出す。
「大袈裟。」
「十年以上待ったんだぞ。」
「知らないですよ。」
「知れ。」
二人とも笑う。
そして。
少しだけ真面目な顔になったたくとが言う。
「りゅうき。」
「はい。」
「今度こそ。」
「……。」
「好きです、付き合ってください。」
高校生の時には言えなかった言葉。
大人になって。
ようやく言えた。
りゅうきは数秒黙って。
そして。
「よろしくお願いします。///」
と笑った。
たくとは思わず額を押さえる。
「やばい。」
「だから何がですか。」
「好き。」
「急にやめてください。」
「好き。」
「うるさいです。」
「十年分だから。」
「長い。」
「まだ足りない。」
りゅうきは呆れた顔をしながら。
少しだけ。
本当に少しだけ。
たくとの肩にもたれた。
たくとは固まる。
「……りゅうき。」
「何ですか。」
「今の反則。」
「知らないです。」
耳だけ真っ赤だった。
たくとは笑う。
あの日。
卒業式の日。
言えなかった言葉。
届かなかった想い。
全部遠回りしたけれど。
十年以上かけて。
ようやく。
初恋は恋人になった。
そして付き合い始めた二人はというと……
りゅうきは相変わらずツンデレ。
たくとは相変わらず重い。
「先輩。」
「ん?」
「なんでそんな嬉しそうなんですか。」
「彼氏だから。」
「昨日も言ってました。」
「今日も彼氏だから。」
「意味わからん。」
十年拗らせた男は、
付き合えたくらいでは落ち着かないのであった。
💗𓏸 𓈒 𓂃 𝐄𝐍𝐃𓂃 𓈒𓏸💗
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コメント
1件
読み終わりました……。十年越しの初恋、ちゃんと恋人になれてよかったですね😢💗 「好きって言いたかったんだな」って気持ちが伝わってきて、特に「今の反則」「知らないです」って言いながら肩にもたれるりゅうきが可愛くて仕方なかったです。 あと、たくとの“まだ足りない”も重くて好きです。十年拗らせた男の執着、最高です。ENDまでじっくり味わいました。お疲れさまです🌙🤍